ときどき「片思い」について相談されることがある。
「同じ会社に勤める6歳年下の男性を好きになってしまいました。
どうしたらいいでしょうか」
というようなもの。好きならランチにでも誘えばいいと思うのだが、
彼女たちは「噂がたつのは怖い」「自分から粉をかけるのは恥ずかしい」
「ましてや拒絶されたらどうしよう」とぐるぐる考えてしまい、
結局、毎日、恋する熱だけを抱えて苦しんでいる。
その情熱たるや、かなりの迫力がある。
そんなとき私は不思議に思うのだ。どうして何もしていないのに、
ここまで好きになれるんだろう、と。
私の片思いは中学生のとき先輩に憧れた時点で止まっている。
それ以来、片思いはしたことがない。好きなら自分から近寄ってみる、
話してみる、相手にも脈があるかどうか探る、
相手の興味のありそうなものをネタにデートに持ち込む。
そして3回目のデートまでにはエッチもしてみる。
もちろん会ってすぐのエッチだってかまわない。
そこまでいって、初めて「この人、好きだわ」となる。
「気になる人」が「好きな人」に変わる瞬間だ。
もちろん、1回こっきりで終わる関係もある。
それはそれでお互いに「何か」が合わないと思ったのだからしかたがない。
身も心も含めて人を好きになるのであって、
プラトニックラブなど私は信じないし、好きな人とはセックスで感じたい。
「そこまで恋い焦がれて、相手を理想像に押し込めてしまうと、
現実の相手を見られなくなっちゃうんじゃない?」
片思いしている人にそう言うと、
彼女たちは少女漫画のように目をきらきらさせて、力強く答える。
「そんなはずはない。毎日仕事で接していて、その人間性はわかっている。
本当に素敵な人なの」
職場では、誰もが社会的良識に則ってがんばっている。
それとひとりの男としての素顔はまた別だろう。
本当に好きかどうかを知るためには、早く近づいてエッチしてしまったほうが
いいのになと思う。彼を理想の男と思い込んで妄想がふくらむ前に。
ラブリーポップ
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