WWS ~vol.29 両方は手に入らない

長いことラテンの国にいた彼が、日本に帰ってきた。
混雑したバスに乗って、男性が席に座っているのを見て驚いていた。
「目の前に女性が立ってるのに、譲らないんだね」。

 
日本の男性は、ドアを開けてくれたり、席を譲ってくれたりはしない。
譲らないどころか、目の前の席を男性に横取りされることも。
座っているのは男性ばかり、なんてことも珍しくない。
ただ、ばりばり働いて、男性と張り合って、なおかつ大事にされたいっていうのは、
ちょっと欲張りなのかもしれないと、最近思うようになった。
 

ラテンの国は、女性に優しい。重い荷物は持ってくれるし、
我先に席をとられることなんてあり得ない。
男は、男らしく、強くあることが求められる。
日本人女性から見たら、魅力的だ。

一方で、女にとってつらいこともたくさんある。
 「男が強い分、『家事は女がやるもの』という考えも根強いよ。
専業主婦になれるのは一部の金持ちだけで、
ほとんどの女性が働きながら家事も全部まかされる。かわいそうだよ」と彼。
子どもの養育費を払わず逃げられたり、レイプも多いらしい。
女に優しいのも、裏を返せば浮気性ってことだもんな。
   

日本も、男性に抑圧された女性たちが、
強くなりたい、権利を認められたいと社会に出てきた。
社会に出ると、今度は「男性にも家事、子育てを手伝ってほしい」
と望むようになった。
家のことは手伝ってくれるようになったけど、
男性は、どんどん女性的になっていった。
 「草食系」「女々しい」とちゃかすのは簡単だけど、
女もその原因を作ってきたんじゃないか。

少し女々しいけど、仕事や趣味を認めてくれて、家事も手伝ってくれる彼。
男らしくて、頼りになるけど、家のことはやってくれない彼。
どちらか一方しか手に入らないと思えば、少し楽になれるかも。

と、書いておきながら、やっぱり両方欲しい。欲張りはつらいよ。

女性におすすめのショップ

ミライカラーズは SVAKOM サティスファイヤー など、おしゃれで高品質なラブグッズの輸入総代理店です🌈 2007年創業。洗練された意匠を纏う高品質な製品だけをお届けいたします。
不透明な紺色のギフトバッグ入りで届くので、実家暮らしでも安心して注文できます。