エロスの伝道師亀山早苗連載・男と女、結婚とセックスレスについてのコラム。 |
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一時期、スワッピングパーティを取材していたことがある。
いろいろ話を聞いてみると、多くの夫婦に、共通点があった。
夫の浮気がばれて妻が激怒、夫は「おまえがセックスさせないからだ」と逆ギレ。そして夫は、「もう浮気しないから、こういうところへ行ってみないか」と提案。妻は、行きたいとは思わないものの、知らないところで浮気されるよりはと同意。だが、最初はそこここで繰り広げられる他人のセックスに驚き、号泣し、なじめないと嘆く。
しかし、半年から1年たつうちには、妻のほうがすっかりはまっている。比較的、多いのはそういうパターンだ。二十年も二十五年も一緒に歩いてきた夫婦だからこそ、たとえスワッピングパーティに行ったとしても、それは夫婦の秘めごとであり、むしろ互いを思いやりあえる要素となる。
配偶者が他の異性とセックスしているのを間近に見て猛烈な嫉妬を覚え、その結果、自分がいかに配偶者を愛しているかに気づいたとしみじみ話してくれた人もいる。これは男女問わずだ。
性的な嗜好は人それぞれだ。どうしてもなじめないケースも見聞きした。
「ある種の慣れもありますよね。私も最初は嫌でしょうがなかったけど、パーティに来ている女性と友だちになって、夫婦で公認の上、ここで他の男性とセックスできちゃうなんて、とってもエロティックなことだと教わりました。確かにそうですよね。夫婦だからこそできることもあるんだなと思います」
50代半ばの晶子さんは、そう話してくれた。彼女がそこで他の男性を交わるようになるまで、夫も他の女性とは何もしていない。妻がその場になじめるまで、夫は我慢強く待っていたらしい。そうまでして、他の女性としたいのかと思い、一時期、晶子さんは夫をけがらわしいと悩んでいた。
「でもそうじゃなかった。夫は夫婦関係に思い切り風穴を開けたい、刺激がほしいと思っていたようです。私が他の男性に初めて抱かれたとき、夫は悔しそうでしたけど、帰りにいきなり車をラブホに入れたんです。そこから新婚時代がよみがえってきた」
つくづく、興味深いなあと思う。人間ならではの性の営みがここにはある。人は動物的欲求だけでするのではなく、やはり脳で複雑に感じて性を楽しむものなのだろう。
できることなら、夫婦でいつまでも楽しみたい。そう願う人たちは多いはずだ。少しずつ話し合い、少しずつ工夫しあって、いくつになってもセックスを楽しむ男女が増えていけばいいなあと心から思う。
ラブリーポップ
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プロフィール |
亀山早苗
明治大学文学部卒業後、フリーランスライターとして活動。夫婦間、恋人間のパートナーシップに関する著作多数。女性の立場から、男女間のこまやかなコミュニケーションのひとつとしてセックスを重要視する。
亀山早苗公式サイトはこちら・カフェ・ファタル
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