それは高校の同窓会で会った、昔好きだった男性。40代も半ばになると、家庭も仕事も落ち着いてきて余裕が出てくるのか、同窓会が多くなる。A子さんも、それまでは出られなかったのだが、下の子も高校を卒業し、ゆとりができたので参加してみた。
「私、北陸地方の出身なので、実感に帰りがてら同窓会に出ました。ひとりで家をあけて一泊するなんて初めてじゃないかしら。すごく自由になった気がしましたね」
解放感も手伝ったのか、同窓会でははしゃぎすぎてしまったと言う。
「昔好きだったKくんに向かって、『私、本気で好きだったのよ』と言ったんです。彼はその場では受け流してくれたけど、帰り際、耳元でこっそり『オレも好きだった』と。心臓がどきん、としました。何十年ぶりかで」
その場で携帯電話の番号とアドレスを教え合った。その日は仲間と夜中まで話し込んだが、東京に戻るとすぐ、彼から連絡があった。彼も東京在住だった。
「メールのやりとりをするようになりました。今度、飲みに行こうという話はするんだけど、彼は仕事が忙しいし、私も夜はそう簡単には出られない。そんな状態が3ヶ月ほど続いているんです」
彼への思いは募る一方。ここで会ったら、おそらく何ごともないということはないだろうと彼女自身、想像している。
「夫とはもうただの同居人みたいなものです。たいして年は変わらないのに、夫はどう見てもただのおっさん、でも彼はメタボにもならずかっこよかった」
彼の妻からみれば、彼も「ただのおっさん」かもしれないが、他人の目には「いい男」に映る。そこが恋の不思議なところだ。
今、彼女は彼に会おうかどうしようか本気で迷っている。恋心は止められない。だがそれが現実の生活に入り込んできたとき、自分がどうなるかわからない。
「夫とは盆暮れセックス。年に数回しかしません。たいして感じるわけでもないし。でも彼のことを考えると、それだけで濡れてきちゃうんです」
会ったらもう元には戻れない。わかっているだけに迷うのだろう。彼女がどうするのか、会ったら連絡をくれるという言葉を信じて待っているところだ。
ラブリーポップ
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