TABOO ~乙女の純潔

純潔と聞くと、昼ドラを連想してしまう私です。
なんだか前時代的でおおげさな感じ。今の世の中じゃ使っている人はほとんどいない言葉、そして概念としても薄れていっているものでしょう。婚前交渉の回でも書きましたが、昔と今じゃ貞操観念がだいぶ違いますよね。

じゃあわたしたちのイメージする「結婚前に性的なことなど!!」という純潔第一の考えはいつ生まれたのでしょう?
今回は日本社会の“純潔”の文化について考えたいと思います。

皆さまご存じ、文明開化は明治時代の出来事ですよね。
この近代化の時代に初めて「自由結婚」という概念が生まれ、そこから「男女交際」が唱えられることになります。
しかし欧米では近代国家の誕生と恋愛結婚の誕生が同時期だというのに、日本は国が近代化されても結婚はまだまだ恋愛を経てなされるものではありませんでした。
とは言っても「恋愛結婚」の概念はなくならず、逆に大正期は恋愛が理想化された時代なんです。この時期に結婚は家の為ではなくて恋愛よりのちに至るべきだという意識が強くなったんだとか。

だがだがしかし!!
恋愛結婚の前段階での男女交際の必要性を認めつつも、男女交際を社会は非常に危険視していたんです。それは女性の純潔を脅かす可能性があるから!!それはそうですよね~~。若い男女が交際して性的接触しないわけがない!!
この時代、純潔というのは個々の女性の問題の身でなく、社会の問題として考えられていたんですね。

明治末期から大正期にかけて成立したセクシュアリティの特徴は
・同性愛を変態性欲の扱いとし、
・オナニーを医学的に有害視し、
・婚姻外交渉に対する罪悪視が強まり、そして
・純潔性の規範が強化された、というものなのです。

近代日本においては、この純潔概念と男女交際は相互排除的な関係にあったのです。確かにすごく矛盾していますよね。
付き合ってもいい、ただし何もするな!これはきついですよね~。

このジレンマの解決策として登場したのが「清潔なる男女交際」なる概念でございます。これは女性が男性を「兄」のように慕うお付き合いだそうでございます。うーん、面白い。兄と妹なら清潔なお付き合いでしょってことなんですね。なんか逆にアブノーマルな香りがしますが(笑)

先に述べました大正期に出来あがった純潔の規範は、いかなる身体的接触も排除する、というものなんです。いかなるって、たとえば握手さえも純潔を破る行いとされてるんですね。
でもこの純潔の概念、女性にとって押しつけられた決まりというよりは自分から求めるべき、価値あるものになってるんですね。

教養を身に付けた「新しい女」たちにとって純潔とは家や夫のために守るべきものではなく、自分の性は自分のものだという認識のもと、進んで守るべきものになったんですね。
押しつけられていないならよいような…でも握手もダメなんて、じゃあ一体何をするの!?お勉強会!?固いですよね~~。

しかし、守らなければいけない、と自分の強い意志をもっていても断ち切りがたいのが色の誘惑。道徳観の厳しい時代、きっと様々なドラマがあったのでしょう。もはやフリーダム状態の現代の女子には、かえってそれがロマンティックに見える、、かもしれませんね。

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