Midnight Talk ~vol.20 最短の口説き

 

春は入園式・入学式・入社式のシーズンだ。
人と人が会って、最初に行うのが「あいさつ」で、春の新人教育の最初のProgramも「あいさつの仕方」と相場は決まっている。「はじめまして」「おはようございます」や「こんにちは」から始まって、「お疲れ様」「ご苦労様」(この二つの使い分けできない人、多いんですよ)、「失礼いたします」「おやすみなさい」「ありがとうございます」など、人は一日中、「あいさつ」を繰り返している。この言葉の原義は、「禅宗の門下の僧と問答をして悟りの程度を知ること」から来ていて、派生し「二人の仲、交際、関係」という意味もある。

異性にモテない、とお嘆きの方には、この「あいさつ」に問題がある場合が多い。

学生時代に1日100人の女性に声をかけることをノルマと課していた私にとって、最初にどのように女性に声をかけるか、ということは重要な課題であった。
街を歩く女性に声をかけて(どの女性に声をかけるか、という問題は捨象)その女性が、声をかけた私の話を聞くかどうかの判断をするのは10秒以内だ。その短時間でできることは、そんなに多くない。第一声をどのようにするかが重要だ。いろいろ試してみて、ようやく分かったことは、昼なら「こんにちは」、夜なら「こんばんは」が一番だと言うことだった。

ただ漠然と「こんにちは」と言ってはダメだ。新宿や渋谷の街には、人を食い物にしようとするキャッチセールスや宗教や政治などの活動家なども多くいるので、彼らと一緒にされてしまうのは困る。試行錯誤をした結果、私の考えた挨拶の仕方は、普通の「こんにちは」と言う言葉の前に、極々小さな声で「ぁ」と入れることだった。

「ぁ、こんにちは」と言う言葉を、ちょっと驚いた感じで、不意をついて、丁寧に親しみを込めて相手に向けるとき、それはまるで、「近所のお兄さんが顔見知りの女性を見つけて思わず声をかけた」という感じが凝縮されている。言われた女性は、はっとして私に顔を向けるなどの他、思わず「こんにちは?」と答えてしまう女性も少なくなかった。それは、幼少の頃から社会人なるまで、親から先生から先輩から受けた、あいさつの教育の賜でもある。(条件反射と言ってもいい)

私が意図的に作り出した「誤解」であっても、ひとたび、相手が反応するということは、女性の「結界」が解かれた、と同じだ。

そんなことできる訳ない、と思う方は、まずは練習。現代は、練習場所に事欠かない。ファーストフードやコンビニ、スーパーマーケットの店員は、マニュアル通りに「あいさつ」を繰り返している。多くのお客は、それに応えることなく 、黙って商品や釣り銭を受け取っている。最近じゃ、手を添えて両手で釣り銭をお客に渡すところも増えて、時々、ドキドキさせられるが、その時に、「ありがとう」と言って受け取る人は少ない。

まずは、マニュアル通りの店員のあいさつを利用して(?) 練習しよう 。
「おはようございます」と言う店員に、まずは、会釈で応じてみよう。それに慣れたら、ちょっと恥ずかしそうに「おはようございます」と言ってみよう。
「はよっす」でもいいかも知れない。普段、無視されることに慣れている店員にとって、あいさつが返ってくるのは新鮮だ。ニコって微笑まれるようになったら、
その練習は修了。

次はフランチャイズではない喫茶店やBARなどでも試してみよう。できれば、気になる異性の従業員がいたら、やりがいも出るというものだ。黙って「ブレンド」って言うクセを止めて、店員が「いらっしゃいませ」と言う前に「こんばんは」と言ってみよう。相手はかなり狼狽するはずだ。仮に仲良くなることはなくても、それをみて楽しむのも良いかも知れないし、世の中を平和にするコツってそんなところにあるのではないかと思う。

こんなことをして、ターゲットの異性にモテるかどうかの保証はない、と言う方もいるかも知れない。しかし、あなたを見ている人がいて、
また、そこに予想もしてなかった出会いがあり、しばしば、そこから恋が芽生える。

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