Midnight Talk ~vol.07 カラダの記憶

 

昔々、あるところでの出来事。1ヶ月ぶりに逢ったK子との、糸を引くようなどろどろしたセックス、、とろん、と熱く溶けたような、、まるで別の生き物のような秘密の場所に、ぬるんっと中指を入れると「あん♪」と言う声を漏らした、、。

「!」あるべきものが、あるべき場所にない! 「なぜ!?」

一段落済んでのピロートーク。「ねぇ、 Kちゃん、、」と俯せになって果てているK子の乱れた髪、その耳元で「最近、遊んできたでしょ?」と囁くと、一瞬、K子の顔が目を閉じたままニコリとして「え!?どうして?」と言った。
「わかるよ、、だって、いつもある性感帯が、、ほらの中の帯状になってる性感帯が、ないもの。どこかに行ってしまった、って言うか、
多分、奥の方に移動してるって感じ」
「うふ♪」
「この一週間くらいに、長い人と激しくしました、、って感じだね」
「どうーしてわかるのぉ?」
「うーーん、わかるよね、、触れば、、」
「コワーイ!」と言って、天真爛漫、ケラケラ笑って見せた。もちろん、女性なら誰でも分かるわけではないので、ご心配なく。

女性は心持ちで自分の身体を変えることができる、ような気がする。有名な話しでは、遠洋漁業主体の漁村の女たちは、夫が帰る時期に合わせて排卵・発情する「待ち腹」と言われる変化を身体に起こすと言う。たまに逢って、ちゃんとヒットするにはそれなりの動物としての工夫があるようだ。K子の場合は、気に入った男性の身体的特徴に自分の身体を合わせて、感じやすいようにしたのが残っていた、と言うわけだ。つまり「カラダの記憶」だ。

初体験を済まして、それからオーガズムを初めて感じ、そして、それが継続的に感じられるようになるまでに、この「身体の記憶」と言うのは、重要な役割を担っている。ひとつの成功体験(オーガズムの経験)が自信に繋がり、自分の身体をも変化させる、と思う。ひとたび、オーガズムを感じた身体は、それが記憶に残り回路が繋がってイキやすい身体になるようだ。そのきっかけは、通常セックスからオナニーまで含まれる。

なかなかそれを呼び戻すことができない女性も少なくない。1度はオーガズムを感じたことがあるのに、遠いところに行ってしまった、、、。そんな女性は、新しいことをいろいろ試してしまう前に、その時、どんな状況でイケたのか、もう一度よく考えてみて、再現してみてほしい。他にも、決定的に刺激的なプレイに興じるか、恋する相手とするかあるけど、いずれにしても数を追いかけても残るのは
徒労感だけになってしまうので、それは避けたい。意識を自分の過去に戻して、自分をまず知りたいね。進化って言うのは不思議だ。

誰も遺伝子に話しかける事なんてできないはずなのに、人も動物も、そして植物まで生き物は自らを自らの意志によって変化させる。
「キリンは、木の上の葉っぱが食べたかったから首が伸びたし、鳥は空を飛びたかったから飛べるようになった」もしかしたら、生き物だけに限らないかもしれない。引力、分子間力、磁力など目に見えない「力」と言うのは、「意志」かもしれないと思う。「投げた石は、
落ちたいから落ちる」とは言えないだろうか。

やはり「イケるカラダになる」と言う進化は、結果としてついてくるものだから、焦ることなく気長に信じることが、まず第一に重要だと思う。「信ずれば通ず」だね。

 

 

 

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