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世界のセックス事情、 世界の女性のセクシャルな話しをヒソヒソ話し感覚でお伝えするコラム。国際恋愛、国際結婚、外人と日本人の男性の違いなどを、ワールドワイドに綴ります。

日本人がタンポンを使わないワケ

ビキニ姿の女性が勢いよくプールに飛び込むと、栓を抜いたかのように水が減っていく。
タンポンの吸収力が抜群で、プールの水まで吸い込んでしまった、というオチ。アメリカやオーストラリアで放映されたCMだ。


欧米やオーストラリアでは、タンポンが主流。
オーガニック製品の店に行けば、オーガニックコットンで出来たタンポンが手に入るらしい。タンポンの進化系、膣に挿入して経血を受け止めるシリコン製の「月経カップ」も売られており、選択肢の多さはうらやましい限り。欧米人は体が大きいから、アソコも大きい?なんて噂を耳にすることもあるけど、膣の入り口は体の大きさと関係ないらしい。出産経験者には大きめのサイズ、10代の処女にはミニサイズと、これまでいかにアソコを使ってきたかによって、入る物のサイズも変わってくる。


一方、日本では圧倒的にナプキン派が多いようで、タンポンのCMを見る機会も滅多にない。
国内シェア1位のユニ・チャームのホームページを見ると、タンポンユーザーは全体の30%とある。
プールの時だけタンポンを使うという人も含まれているだろうから、生理のたびに使っているユーザーはさらに絞られそう。


ホームページには、タンポンは簡単に使えて、ナプキンに比べてかぶれる心配がないことがわかりやすく書いてある。吸収力をアピールするよりも、女性の恐怖心を取り除こうと努力している印象を受けた。「まずは使ってみて」という声が聞こえてきそうだ。

どうして日本ではタンポンが普及しないのだろう。子宮ガン、不妊症になりやすいという噂(科学的根拠はないらしい)、正しく使わないと黄色ブドウ球菌が増殖するトキシック症候群になるといった体への影響を心配する声もあるけれど、アメリカのタンポンメーカー、「タンパックス」のホームページでも安全性について説明されているから、日本に限った話ではないようだ。健康を気にする以前の問題があるのかもしれない。


そもそも、日本は生理用品にデリケートな国だ。コンビニですら、生理用品は茶色い袋に入れる。
余計目立つし、袋がもったいなくて断ると、店員さんは「本当にいいの?」とでも言いたげな顔でペットボトルのお茶と一緒にする。10代の頃、アメリカに住んだことがあったが、どんなに大量に買い込んでも半透明のビニール袋にしか入れなかった。最初は戸惑ったけれど、次第に「考えてみれば、恥ずかしいことじゃないよね」と慣れてしまった。

日本では堂々とバッグから出せば「ちょっとは隠しなよ」と言われるし、捨てるときは、中身が見えないようトイレットペーパーでぐるぐる巻きにする。まあ、何も気にせず捨てられても困るし、そんな繊細さが日本人女性の良いところ。とはいえ、きれいなパッケージに包まれた生理用品まで、ポーチに入れて隠すようにトイレに行くのはやりすぎかな。こうした文化の中で、使ったことがない製品に手を出すのは、勇気が必要かもしれない。

他に理由はないかと、生理用品を扱う企業で働く女性に聞くと、「学校の性教育ではナプキンを使うよう教えているし、膣に異物を入れるということに抵抗があるみたい」と話してくれた。確かに、ナプキン派は「アソコに物を入れるなんて」と嫌な顔をする。処女じゃなくても、異物感を気にする女性が多い。

奥まで入れれば異物感はほとんど無いはずだから、膣が緊張して押し込めていないのかも。温泉やプール、非常事態に使うというイメージも根強く、「普段から使えるアイテム、という考えが浸透していない」と前述の女性。質問サイトや掲示板には「手が汚れませんか?」という書き込みもあって、性器を触ったり、中に指や物を入れることへの嫌悪感があるようだ。


前回のコラムにも登場したオーストラリア人のJちゃんに話したら「ナプキンを挟んで血を流しながら歩くほうが気持ち悪くない?」とバッサリ切り捨てられた。「温泉で全裸になれる日本人が、アソコに物を入れられないなんて変なの」ということで、文化の違いと言うしかないのか。


そういえば先日、助産師さんとお会いする機会があった。
「アソコに力を入れて!」と声をかけても、
どこにどう力を入れたら良いのかわからない妊婦さんがいるらしい。

「最終的には、妊婦さんの力が無くては産めないですから。もっと自分の体のことを知ってほしいですね」と聞いて、力強くうなずいてしまった。タンポンを使っていると膣を触る回数も増えるから、いつもよりアソコが腫れている?おできがあるかも?なんて変化に気づく。タンポンを入れて病気になることを心配するより、
自分の性器と向き合う時間を持つほうが有意義に思える。

大和撫子の繊細さを保ちつつ、時には温泉で全裸になれる大胆さで、もっと女性の一週間を楽しめたらいいのにね。




Stanley

レイチェル・マキ

職業:フリーライター

ライター。明るく楽しく気持ち良いセックスについて、「せくすばっ」で連載中。 高校1年生で交換留学生としてアメリカへ。大学時代も数々の国を旅して、あちこちで恋に落ちた。外国人とばかり付き合っていた時期もあったが、現在は日本人の彼氏と遠距離恋愛を楽しんでいる。「セックスに国境はない」が人生のテーマ。


TAGS: 恋愛とセックス - 国際恋愛


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