ラブリーポップ公式マガジン

MANTARA

ちょっぴりエキセントリックな精神科医が綴るセックスのこと、セックスに関係するお話し。

性欲の行方

柴門ふみ原作「東京ラブストーリー」という漫画がある。
主人公・赤名リカが相手に言った「セックスしよう」のセリフはその当時、衝撃的に響いた。 あれから十数年。
性の解放が進んだように見えるけれど、このセリフがなんの抵抗もなく言える女性、言える関係を持っている人ばかりになったわけではない。テレビ、雑誌、インターネットなど、性の情報は開示されている。刺激度も増している。けれど、心と心をつなぐものとしての性に親密さが増したか?は、はなはだ疑問である。

女性の場合、性欲に気づいても、「すんだら終わり」とシンプルに解消するための状況設定は難しい。
社会人になれば、利害関係や体裁もより一掃複雑になる。身近なところで手を打つのはリスキーだと多くの人が考えている。
様々な社会的状況を想定しておく必要があり、なかなかその一線を越えられない。

一方、未だに、性欲なんてあたかもないかのごとくふるまう女性も多い。 あるいは、そんな欲求なんて私にはないと女性自身が信じてしまう。あるいは、そんな欲求の存在に自らが気づかない。 もちろん欲求が消えてしまうわけではない。消えないとすればどこへ?

気づかなければ欲求は満たされようもなく渇望はつのる。 その渇望が何なのか自分でわからない。「なんなの?なんなの?」 わからない。むしょうにイライラしてくる。 仕事、スポーツ、趣味、友人とのおしゃべりなどの形にすり替わり、そのエネルギーは解消されていく。 仕事やスポーツの場合は積極性や競争心となって現れ、かえって良いこともあるかも。 おしゃべりでは、悪口に花が咲いちゃうかも。部下を叱りとばしちゃうかも。 一般に、ちょっと攻撃的なのが特徴。 性欲が満たされていない女はヒステリック・・・
この論は当たらずとも遠からず、である。


特定の彼がいた場合、イライラにすり替わった渇望は、集中して彼にぶつけられる。 泣く。喚く。機嫌が悪い。難癖をつける。
ケンカをふっかける(ここでセックスに持ち込めればMr&Msスミスである) たとえば、彼の至らない些細な点をいちいちとりあげて、

「前から思っていたけれど、アナタってこういうところがあるのよね。 それって・・・」
「私が〜〜って言ったのに、どうして私の気持ちがわからないの?」

などなど。 恐ろしい被害者意識満載の攻撃が始まる。
攻撃は、時に、大砲のようだったり、散弾銃だったり、棍棒だったり、落とし穴だったり。 性欲によるという自覚がないと始末に悪い。 理由のないイライラがつのるときは、「私はセックスしたい」と100回唱えると呪縛が解ける・・・かもしれない(笑)。


「セックスしたい」と声高に叫べる女は幸せである。【ヴェーテ】
*注: 人名事典を探しても載っておりませんから、念のため。



Stanley

二階堂ターラ

精神科医。エッセンスリーダー。 上智大学心理学科卒業後、精神科医師をめざす。 大学病院での研修・研究・臨床・学生指導、大手企業数社で、産業精神科医としてメンタル教育・診療、 地域での看護学校講師を経て、 現在は副院長として単科精神病院に勤務し、地域医療に貢献している。 代替医療としてヒーリング、エネルギーワーク、ヒプノセラピーなどを診療に取り入れつつ、 最近では知識と経験に基づく直感法を用いたエッセンスリーディングを行い、全人的な癒し、幸福に導くために貢献している。


TAGS: 恋愛とセックス


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