STD kinen
現役風俗嬢が送る人生ルポ
２人揃ってケジラミ治療
前回の続き。どの続きかというと、私がセックル★パーチョナーにケジラミを告った後、どのようなヤリトリをしたか、あたりの。ちょっとしたはみ出しストーリーです。
私が衝撃のケジミラー（ケジラミを持つ人）とわかった後の、彼の反応。「ケジラミになったのは、君のせいじゃない。たまたまそうなっただけだ。たまたま、ケジラミが、君の陰毛に引っ越してきただけなんだ。そんなんじゃ、ぼくの愛はかわらない。いや、それどころか、君のケジラミまで愛する。愛しい。その節足の一本一本さえも！」というような、ヨンを軽く抜く純愛２００倍オッズ的発言は１ミリもなく、さえない気分でだらだら歩きました。告白が受け入れられたのはいいものの、彼の陰毛にもケジラミ一家が暖かい家庭を築いているのではないかという疑惑を確かめなければならない一大事業が、二人のあいだに立ちはだかっているため、無口のまま。
彼の注意深い観察の結果の、スペシャル・リポートが今開示。「いたわ･･･」。
私もこわごわのぞくと、あら大変。大草原の小さな家どころではない、大草原の小さな集落が形成されており、インガルス一家も顔負けの幸せイッパイさでケジラミ一族がこの世の春を謳歌。ああ。生命ってすばらしい。人体もまた小さな宇宙。このイッツ・ア・スモールスモールワールドでたくさんの生き物たちが育まれているよ。そんな自然礼賛で、現実を直視することを避けようとしましたが、無数のインセクトが最新のＣＧ技術を上回る出来で毛の間を自由に動き回るさまは超インパクト、超ミラクルであり、超グロテスク。我々は無表情のまま顔をあわせて、この方たちにグレイトフル・デッドをお見舞いすることを無言のままに示し合わせたのでした。
ケジラミの撃退は実はかなり簡単です。 それは毛を剃る。 性行為で移るケジラミは、陰毛がお気に入り。そして、無毛ならばウチが生きていけないらしいのです。なぜ頭髪ではなく、陰毛にこだわるのかハナハダ疑問ではありますが、私もケジラミに直接聞きたいぐらいなので、よくわかりません。今度会ったら聞いておきます。剃っただけでほぼ撃退できますが、その上にスミスリンパウダー（ケジラミ駆除剤。薬局に普通に売っている）で駄目押しの治療をすればさらにバッチリです。剃らずに、スミスリンパウダーのみでも治療できるのですが、一刻を争って早急なケジラミの立ち退きを求めていた我々としては、そんな悠長にはかまえておられず。
そういうわけで、私が彼の陰毛を剃ることに。前方はもちろん、本人にやってもらえばよいんだけれど、いわゆる尻毛というのが曲者。男のコのデリケートゾーンのためにも、第三者の手が必要だと、どうしても。
それで、彼がよろしくとばかり、手を前に着き、尻を高く突き出した格好で、いつ私が彼のナニをどうしてもかまわない、という状況になったのですけども、どうしても剃れない。そんな私の状態にお構いなく、「ん！」と彼はますます尻を高く突き出し、ちょっとやめてください。笑いがとまらん。もとはといえばマイケジラミがらみのこの結末、が、笑っちゃいけないとかみ殺しただけ腹の底からの衝動が抑え切れない。剃刀を握る手も震度７ぐらいに震え、このまま刃をあてたら流血沙汰の大惨事。しかし、真剣に取り組もうとすればするほどこの状況がおかしく。「はやく！はやく剃って！」ああ。もう駄目。こらえきれずに爆笑。「何やってんの！はやく！」彼の叫びとは裏腹に、ものすごく時間がかかった剃毛タイムでした。
ま、今思いおこせば、あれは昨今のムシキングブームを予言する予兆であったといえるけどね、うん。時代を先取りしすぎてたってことかな。こういう具合に、ケジラミ撃退に成功した我々でしたが、二人揃ってのケジラミ治療は、両方ともパイパンになり、なんかおかしかったです。
田中課長
風俗風来坊。マンガ好き。日記書いてます。どんぞお立ち寄りください。（※開店中）
