ラブリーポップ公式マガジン

Midnight Talk

恋愛、結婚、セックス。そして不倫からセクシャリティに至るまで。男女関係・セックス・性について書き綴るコラム。

セックス、SM、そして関係性

目隠しをして軽く手を縛ってみると、もう何時間もプレイをしてきたのに、
すぐにまた、その女の中から液体があふれ出してくるのを感じる。
--- 多くの女性は、自由を拘束されると性感が過敏になる ---
「これは何かな?」と言って、その鈍い音のする器具を耳元に近づけると、
その女は「口かせ」から言葉にならない声を漏らし、
身体をくねらせようとするが、拘束されているので自由が利かない、、。
それがまた、相乗効果のごとく身体に反応を促し、
今や、あふれ出た液体は、女の太股を伝い、シーツを濡らしている、、。
・・・これは、あくまでも「ソフトSM」でセックスの延長です。


「SM」と言う言葉を耳にしたとき、鞭、蝋燭、縄、手錠や拘束帯、
革のコスチュームなどが脳裏に浮かび、「アブノーマル」と言う括りに入れて、
自分には無縁のように感じる女性が多いだろう。
しかしながら近年「プチ変態」「フェチ:Fetishism」のカジュアル化に伴って、
「SM」そのものも特別に変態の代表のようには思われなくなってきた。
実際、私のところを訪ねてくる女性の相当数から
「ソフトSMに興味があって、、」と言う声を聞いている。
また、年齢の若い女性の方が、「SM」に対する抵抗感がなくなってきているようで
よくよく話しを聞くと、かなり経験を積んでいる女性もいるが、
その多くは「ソフトSM」と言われるものの範囲だ。
つまり、セックスを前提としたプレイの一環に他ならない。


「 狭義のSM」は、その人の育ち・社会的地位・帰属社会階層・
宗教・教育の影響を強く受け、それ以前にDNAレベルでの影響も
視野に入れて考察すべきもので、他の変態と言われる行為、、
例えば、Fetishismなどと違って「個人的な趣向」と言う括りでは
収まりきらない部分が認められる。つまり「SM」の社会性だ。


かつてゲイの方々は、「何らの原因によって正常から逸脱した嗜好」と
間違った判断をされていたが、「SM」の場合も「普遍性をもった存在」
として認められるのだと思う。
つまり、もともと存在が約束されていたのではないか、と言うことだ。


「SM」を嗜好する人々との対話の中で解ったことは、
最近まで、私は「SM」のことを、「サービスのS。満足(我が儘)のM」であり、
飽くまでも「SはMがいて初めて存在が許されるもの」とし、
セックスにおけるバリエーション、またはSexualityの一つの形態だと
理解していた、、つまり、(セックスの一形態である)ソフトSMを
「SM」だと思っていたが、どうやら全然違うものだということだ。
セックスと「SM」は、厳密には関係がない、と言えそうだ。


「SM」も、その中で嗜好性がさらに分かれているので一般化は難しいが、
「苦痛が精神を解放する」と言うことは合意できそうだ。
しばしばM女性が、恋人の他に「ご主人様」と言われるS男性と
「関係」--- 必ずしもセックスを伴わない --- を持つことがあるが、
それは、恋人を裏切ってのことではなく、あくまでも、
それぞれ求めているモノが全く違うので、使い分けているに他ならない。
ご主人様とのセックスを伴う場合もあるが、
そこでのセックスと恋人とのそれとは、M女性にとって、
意味が全く違ったものであることは言うまでもない。
と同時に、恋人との信頼関係と、ご主人様との信頼関係も
また違って理解されている。


「SM」については、具体的な検証も含め別の機会に考察を深めていきたいが、
ここで言いたいことは「関係の数だけ感情がある」と言うことで、
必ずしもそこに感情の順番や序列があるわけではない、と言うことだ。
「SM」が正常か変態かの問いも然り、
与えられた価値観や常識で「アブノーマル」として判断したり、
「どちらが大切なの?」と言う質問自体が意味のないことかもしれない。
(ちなみに私は、厳密なSMよりソフトSMが好きです)




Stanley

工藤忍

Club Deep Blue」主宰。 愛しい人のSexyな生き方 。3,000人を超える女性との出会いを通じ、経験や見聞きしたこ とをベースに、様なSexualityに触れながら、恋愛道を語る。


TAGS: 恋愛とセックス


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