ラブリーポップ公式マガジン

Midnight Talk

恋愛、結婚、セックス。そして不倫からセクシャリティに至るまで。男女関係・セックス・性について書き綴るコラム。

下着・コスプレ

どのくらいの頻度でセックスをしているのですか?
「主人と4-5回くらいです」
あ、そうなんですか、結婚3年目で週4・5回なら、 かなり多い方かも知れませんね。
「いいえ、日に4-5回です」
え?ご主人、40代でしたよね?
「・・・はい」
日に、ってどんな感じでするんですか? 「朝に1回くらい、出勤前に1回、帰ってきてすぐに、、、
それから寝るまで間に、1-3回、、です」
毎日励行されてるんですか?
「ほぼ、、」
辛くないんですか?肉体的に。
「・・・いえ」
気持ちいいんですか?イケます?
「あ、はい。もちろん、ほぼ毎回」

この24才の「奥様」は、かなり社会的地位も高い エグゼクティブクラスの技術者である「ご主人様」と、 都内近郊に「邸」の言葉が似合う庭付きにお住まいだ 。 ショートロングの栗色の上品な髪、色白の欧米系ロリータ顔で、 香水はつけてないのに大人の色香を感じる。 首から下は綺麗に剃毛【ていもう】されており、 身体にアザひとつないが、 伺いをたてるように覗き込むような目が、 自分は「M女」であることを訴えている。 話しているとその目は意図的であることが分かってくる。

「会話はもういいから、始めましょう」と目が続けて話す。 私たちに与えられた時間は、ホンの2時間であり、 その時間を思い切り有効に使いたいと言う彼女の意志が確実に伝わってくる。 しかも、それは今回が初めてではなく、 何度も使って訓練されている洗練さを持った静かな力強い目なのだ。 恐らく普段からご主人のチェックは厳しく、 また執拗に大事にされているのだろう。 丁寧な剃毛が物語っている・・・。 聞けば、ご主人は職場から日に20回くらい電話をかけてくるそうだ。 「嫉妬しないのは愛情のない証拠」 と誰かが昔言ったが、やはり私は苦手だな、とその時感じた。

どんなに満たされても追い求めようとするそれは、性欲のせいだろうか。 また、どんなに禁止されても、どんなリスクであっても、 それを求めようとするのは精神的な病だろうか。 あるいは遺伝子を残すための本能的な戦略だろうか。 刺激と冒険、エロチシズムのせいだろうか。 また、求めている「それ」とはなんだろう。

有効な答えは未だに出てないが、考えるきっかけとして、 また、私のような「主催者」が読んでおくべき本として有名なのは 「夜這いの民俗学・夜這いの性愛論」(赤松 啓介:ちくま学芸文庫)がある。 その名残りは高度経済成長期に入った頃まで続いたという 「夜這い文化」についての民俗学的な考察がされてる。

昔の実際の日本社会は性についてとても開放的だったことが記されており、 「ビバリーヒルズ青春白書」(NHK海外テレビドラマ)も真っ青なくらい コミュニティの中での男女「総当たり戦」の性関係がそこにはあった。 性の教育から婚前交渉、結婚までがほぼ暗黙に制度下されていたので、 言葉で言うほど「乱交」というわけではないが、 現象としてはそのままである。 そこには現代で言うところの「不倫」とか「浮気」はなかったように感じる。 詳細は本に譲るが、産業革命、生産手段の高度化、分業化などによって 夜這い文化は消えてゆくことになる。

その明治維新以降、現代の日本の制度は、 恋愛-結婚に多くのものを求めすぎているように感じる。 いずれ時間が経つとフレキシブルに考えられるようになるのだが、 やはり価値のヒエラルキーは現前と君臨している。 それが常識や倫理観なっている。現代においては、 フランスが同性愛者への配慮から結婚と言う「機能」を多様化して 法制度を整えてきている。これを読んでいる大多数である ヘテロセクシャルな人々は、ここでもホモセクシャルの方の 血の滲むような努力によって、 「伝統的な結婚制度以外に選ぶ道はない」と言う抑圧から 解放される恩恵にあずかることになる。




Stanley

工藤忍

Club Deep Blue」主宰。 愛しい人のSexyな生き方 。3,000人を超える女性との出会いを通じ、経験や見聞きしたこ とをベースに、様なSexualityに触れながら、恋愛道を語る。


TAGS: 恋愛とセックス


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