第23回 妄想ストーリー

(注意事項) 一般の方々は、個人的嗜好を含んだ“空想や想像”を 「妄想癖」とか「妄想しちゃった」などという言い表すことがある。
上記表現は精神医学的には誤りであり、 そう表現するのは精神科医として非常に抵抗があるけれど、 イメージとしてわかりやすいようなので、 このコラム内に限って「妄想ストーリー」という表現を使うことにしておきます。

たいてい誰でも、「恋愛」と「セックス」に、 なんらかの好みのストーリーを持っている。

まず、「恋愛」妄想ストーリーに関して。
たとえば、“残業していたらぁ、外勤を終えた憧れの先輩が戻ってきてぇ、 「オマエ、まだいたのか、ダメなやつだな」 なんて笑って言いながら残業を手伝ってくれてぇ、 ふとした瞬間になんだかいい雰囲気になってぇ、 突然彼が強く私を引き寄せてぇ、「前からオマエのこと好きだった」と抱きしめられながら告白されぇ・・・” みたいな。

これらは女子の場合であるが、
1)ベタであっても少女マンガ的展開は非常に好まれる。
2)お好みの視点は、「男子から強く求められる」である。
3)このような心理的状況設定やストーリー性はかなり重要視される。
4)恋愛妄想ストーリーへのこだわりは女子のほうが強い。

一方、男子の「恋愛」妄想ストーリーは、 比較的シンプル、断片的、あいまいである。
さらさらヘアがいいとか、白いシャツがいいとか、 笑顔がかわいいとか、色っぽいとか。 強いていえば二分され、色気女派か、清楚少女派か。 大雑把である。ストーリー性も乏しい。 男子がラブロマンス映画を好まない理由がおわかりでしょう。 ストーリーなんて要らないのだ。 はっきりしているのは、自分がコントロール側なのか否かという視点ぐらいか。 すなわち、隣のお姉さんにイニシアティヴとられちゃうのか、 オラオラかということ。

次に、「セックス」妄想ストーリー。
これはもう少し個人的嗜好度が高い。こだわりが強いということでもある。 詳細になっていく。性的倒錯に近くなっていく。 女子の場合、「恋愛」妄想ストーリーに関心が高く、こちらへの関心度はちょい低い。 強いて言えば、自分の身体の性感帯をベースにして 妄想ストーリーを膨らませる。 男子は「セックス」妄想ストーリーのほうが主で、条件づけも強い。 たとえば、覗き、痴漢、盗撮などを考えてみよう。 覗きという設定で快感を得る。 どれだけ社会的損失を被ろうとも、男子が上記の犯罪を繰り返すのは周知だろう。 性欲という本能に条件づけられているのだから、止めるのはなかなか困難だ。 女子が、性欲を「満たすため」の性犯罪を繰り返すことはほとんどない。
まさか性欲の強さは男子のほうが強いから などというばかげた理由でないのはおわかりだろうとは思う。
性欲の強度でなく、結びつく妄想ストーリーへのこだわり度に因っている。

こだわり度の高い人、職人気質な男子って、 アブナイ・・・かもしれない??



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