
第20回 ある国で、女を惹きつけて放さない男の魅力
長期滞在中の友人を訪ね、東南アジアのある国を訪問した。
ニューハーフショーが有名で、他国人が性転換手術に訪れる その国に着くと、日本と比較して、カップルが目につく。 男性同士、女性同士、元男性と思しき女性とのカップルなど、多種多様。
その国の人達は「彼女は元男性」「そうだよ、彼らは男性同士」と、 私の問いに特別の関心もなさげに淡々と答える。 この国では珍しいことではないらしい。
お堅い職業の私ですら、ゲイやレズビアンの知人の数人もいる日本の昨今。
それでも、新宿あたりや芸能人だとか、特定の地域や種類の人々である印象は いまだにあり、生活圏内で一般的になったとは言い難い。 かの国の光景を見て、パートナーの選択肢が倍になる、
つまり「元」も含め男女全部!(笑)とは、 素晴らしく良いことじゃないかな〜と、ふと思った。
男女に関わらず、魅力的な人と一緒に時間を過ごしたい。 それって自然な欲求よね。 その視点からすると、現代日本男子は、ヤバイ状況になるかもしれない。
ある日本女子は「セックス以外で男が必要かしら?」と半ば本気で口にする。
おりしも、帰国途中、空港ラウンジで久しぶりに読んだ日本の雑誌には、 彼がいるのに、一人でデートスポットを訪れて楽しむ 日本女子の生態が綴られていた。
「彼と行くと、気を遣うし、つまんないから、一人で行く」のだそうだ。
オーマイゴッド!
数週間のかの国滞在中、友人たちの中に、その国の男子がひとりいた。
私の帰国が近くなったある日、彼は唐突に私の部屋を訪ね、 扉の前で何か言いたそうにモジモジした末、突然、奪うような熱いキスをした。
「帰らないで」と真剣な眼差しで訴える。 前触れも無かったし(私が鈍感すぎたのか爆笑)、 日本男子には昨今ないこの衝動的な行動に少々面食らいはしたものの、
「そう、そう。そうだった。男ってぇのはこうだった」と思い出すことにもなった。
多少思い込みや勘違いは愛嬌として、 惚れている女に一途に突進し、奪おうとする。
それが男の性(さが)だったと、彼は思い出させてくれた。 女を求めるそんな一途な情熱に、女はクラッと来ちゃうんだけれど(笑)。
さて、公共交通機関が発達していないこの国では、 車やバイクが重要な足である。 そんなこの国で、高度経済成長期に生産されたと思しき、 ぼろぼろの日本車が走ってた。
瞬間、私は思わず涙があふれた。
なぜって、かつての日本男子のロマンを見たから。
あの頃、日本男子達は、いかに素晴らしいモノを(車を含め)作るかに、 心をときめかせ、目を輝かせ、夢を追いかけ、生き生きしていたに違いない。 ロマンの結晶は、数十年を経た後、遠く異国で、こんなにボロになってさえも、
人々の実用品として日常生活に貢献し続けている。 そのロマンにただ感動し、涙せずにはいられなかった。 そして一途にロマンを追い求める、こういう男に、やっぱり女は弱い。
NHKのプロフェッショナルなんて見ようものなら、ちびりそう(笑)。
というわけで、女を惹きつけて放さない、男の魅力とは?
「女をひたすら一途に追い求める」「自身の夢やロマンを究める」情熱だと 秘かに思っている。
そんな情熱が日本男子から消えちゃったように思えるのは私だけかしら〜?

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