
第16回 不感症の理由
精神科医という職業柄、つい心理学的にものごとを理解しようとするクセがある。
たとえば不感症の相談を受けたら、
「緊張しやすい性格なのかな?」とか、
「パートナーとうまくいっていないのかな?」とか、
「他に好きな人がいるのかな?」とか、
「過去にイヤなことでもあったのかな?」とか想像してしまう。
その点、かおるちゃんの論を初めて知った時は、けっこう新鮮だった。
「身体ができていないと感じない、感じる身体の回路を作る」と言う。なるほどね〜。
身体を開発させる。不感症のひとつの解決法だと思う。
この詳細はかおるちゃんに問い合わせしていただくことにして。
さて、漢方を学び実践して、不感症理論にさらなる視点が開けた。
「そんなの当たり前」と思っている身体のありようは、本当は実に人それぞれ。
私の印象であって、統計をとったわけではないのだけれど、
特に女性はそれぞれ繊細に違っているように感じる。
違いが出る場面が男性と比して多いというべきか(生理とか)。
漢方外来の患者さんの大多数が女性なのもうなずける。
たとえば、冬に必ずしもやけになる人と、ならない人がいる。
夜寝るときに湯たんぽや靴下が手放せない人と、そうでない人がいる。
冷たいものを飲みたがる人と、そうでない人がいる。
生理前後に胸が張る人と、張らない人がいる。
生理前後に頭痛がする人と、しない人がいる。
生理前後にイライラする人と、しない人がいる。
生理前後にむくむ人と、そうでない人がいる。
生理前後に便秘や下痢になる人と、そうでない人がいる。
月経血が固まっている人と(レバー状などと言い表す)、そうでない人がいる。
おりものがサラサラしている人と、そうでない人がいる。
等など。
挙げていけばキリがない。特に生理のありようは多様である。
勉強と実践を兼ねて、私もいろいろな漢方薬を、自ら試してみた。
体調改善を目標とした処方だったが、思わぬところに影響が出た。
おりものの形状が変化したのである。
体液の状態だとか、下半身の血行だとか、微妙な変化があったのだろう。
「心の問題ではなく、シンプルに身体の機能の問題として起こる不感症があり、
それに効果のある漢方薬がきっとあるはず」
実践を通して、そう確信するに至った。
アノ辺りの血行や神経の機能がちょっと落ちているということなのだろう。
不感症目的でなくてもアノ辺りにそれだけ変化があるのだから、
不感症目的処方にすれば、グワングワン感じる力も、飛躍的に機能アップできるに違いない。
そう信じて、今日もサソリを(ウソ)、飲むのであった。

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