vol.16 あなたの変態は世界を救う

Sexuality【セクシュアリティ: (名詞1) 雌雄性、性別、性の認識、(名詞2) 性的能力、性機能、性的関心、性欲、性衝動、性行為、性的耽溺、性的傾向、性的指向】とは、簡単に言うと「性のあり方」と言う意味だ。社会的、個人的意味がある。どちらにしても個人のあり方を決める大きなファクターである。一般に「Sexuality」と言う言葉は、同性愛者やFeministの方々の世間に向けた話で登場し、その概念の中心と言っても過言ではない。

 語弊があるかもしれないし、一部の人からは憤慨されるかもしれないが、この言葉自体は生真面目に考える必要はなく、「髪の長い女性が好き」「背の高い男性が好き」「指を見ていると発情する」「SMが好き」「スワッピングが好き」「後背位が好き」「フェラチオが好き」などもSexualityに違いはない。

 信じられないかも知れないが、今では当たり前の行為になっている「後背位」や「オナニー」もキリスト教の歴史の中では、それらの是非が問われたこともあったし、「変態行為」として禁止していた時代もあった。白人と黒人のセックスを禁止した時代もあった。そう、Sexualityの解放の歴史は、すなわち人々、個人の解放の歴史でもあった。

 以上から言えることは、「背の高い男性が好きな女性」と「女性が好きな女性」の2つの事柄は、Sexualityの前では同じ価値なのだ。つまり、片方を肯定したら、片方を否定してはならないのだ。

 「H」【エッチ】と言う言葉の語源は、「変態」【へんたい:Hentai】のローマ字綴りからだ。その昔の使い方としては、「あの人はHだから、、」などと言い、性的タブーを犯している人、「あの人は変態だから、、」と言う意味で使われていた。フェラチオ好きな女性がいたとしたら、この様に陰口を叩かれることになっていたのだろう。そのうちに、「H=スケベ」と言う意味に発展し、今では、ティーンでさえ「Hしよう」と言う言葉を「セックスしよう」と言う意味で使っている。

 自分の中の「変態性」を認めていくことは、すなわちSexualityから人を見る視点を持つことと同じだ。何をもって「変態」とするかは、時代によって、とっても曖昧だと言うことはわかった。同じように、「女性が好きな女性」が変態であるかどうかも、とても曖昧なことだ。

 生物学的な性別もSexualityを構成する大きな要素では違いないが、性同一性障害の問題をあげるまでもなく、性別のあり方自体がとても曖昧なのだ。逆に、戸籍上の性別などは、強引すぎる振り分けに違いないことがわかってくる。

 ここで気を付けなくてはならないのは、「性差」についてだ。ジェンダーフリー【社会的な性の解放】にしても、保守的な性を盲信する人も、「性差」を否定してしまいがちだ。性差とは、男女の違いなどと言う意味に留まらず、「個性差」と取るべき時代になっている。つまり「性の解放は、男女の性差の否定ではなくて、厳密な性差を支持すること」だ。


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