第1回 『AVは本当にエロいのか?』

はじめまして。今回、ラブリーポップさんにお声をかけて頂き、AVについて書かせて頂くことになりました呉と申します。

私とAVの関係は結構長いです。ライターとして初めて依頼を受けたのは、当時大人気だったAV 女優・七瀬ななみちゃん主演作品のプレス。撮影現場を取材しリポートするというお仕事です。そこでは、現場ならではの非常事態も起こりました。男優さんが緊張のためか萎えてしまって、監督にアダルト誌を数冊持たされ、泣きそうな顔で奥の部屋に消えていくとか…… それを見た別の男優さんが「俺、大丈夫だろうか」と顔面蒼白になっているとか。 2時間の勃ち待ちを、ななみちゃんは無言で待機。強いライトの下、シーツ一枚をかけられ、裸で床に横たわっているのです。「屈辱…」と小さく呟いているのが印象的でした。

以降、媒体は変わりましたが、5年間に渡ってアダルトビデオ・DVDのレビューを書くお仕事をさせて頂いています。多いときは1週間で40本のアダルトビデオを見ていた時期もあり、「AV女優の名前でシリトリができる女」と呼ばれたこともありました。

撮影現場に行き、AV女優さんや監督のお話を聞く。 それは楽しいお仕事です。 プロ意識を持ち、よりよい作品を作ろうと努力している人たち の話は熱い。 特にフェティッシュな監督にインタビューしていると「これか らAV界が変わるかも!?」というロマンすら感じてしまいます。 でも、私の妄想をかきたて、見るだけで体が反応するような作 品には出会えませんでした。 結果を言うと、5年間AVレビューを続けた中で「自腹でこの作 品を買ってもいい。むしろ欲しい!」と思ったのは2本しかありません。

ちなみに私はオーソドックスなAVが好きです。バラエティ番組みたいなAVもあるのですが、そういう作品は女優さんが大切にされていないように思えて嫌なんです。例を挙げると、手を使わないオナニー(机の角に性器を擦りつける)を本気でイクまで続けるとか、水とザーメンと卵を産むかもしれない鶏だけで1週間を過ごすとか。これってエロいですか? 見ていて楽しい?そういう企画ものより、可愛い女の子がエッチなことしてアンアン喘いでいるほうが万人受けすると思うんだけど……。 そして、私の出した結論は

女優のルックスがよければ、奇を衒ったことをしなくてもいいんじゃない? というAV界の取り組みを真っ向から否定するものでした。

とはいえ。 この結論はAV鑑賞の情熱を失くした者の後ろ向きな意見なのかもしれません。むしろ、そうであって欲しい。レビューのお仕事を始めたときは、AVを見るだけでドキドキしていたのです。今、こんなにローテンションなのはお仕事としてAVを見すぎたからなのでしょうか。確かに女性が見ると不愉快になるAVはたくさんあります。でも、私だって、見るだけで濡れるような魔法のAVに出会ってみたいし、その希望はまだ捨ててはいません。ただ、AVが男性目線で作られている以上、女性が楽しむためには鑑賞の壷があるようなのです。それが一体何なのか、この連載を通じて探していけたらと思っています。皆様、どうぞお付き合い頂けますよう、よろしくお願い致します 。

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