VOl.12 (最終回)

それから何日かして、あの年の離れた男性と、留学の話をするためにあった。 外国に住む知り合いがなかなか手続きに必要な書類を送ってくれないとのことだった。 でも、私はもう留学するしないは、どちらでもいいと思っていた。 いつかは行きたいけどね。 今年でなくても、いつでもいいんだー、とも思っていた。 で、その人は小さな車に私を乗せてくれて、海に向かった。 気晴らしにドライブでも、という感じだった。つい先日、セラピストの彼とバイクで走った道も通った。

年上の彼がつれていってくれたのは、海を見下ろすことのできる景色のよい崖の上だった。 海のほうから風がふいてきて、気持ちよかった。 彼がふと、「これ食べてみろよ」といって、カップに入った何かを手渡してくれた。 なんと彼の手作りヨーグルトだった! 正直、(手作りヨーグルトなんてお腹こわれないかな)とも思ったけど食べてみた。 おいしかった!とってもおいしかった。あんなにおいしいヨーグルトは、はじめて食べた。 さらに彼が自分で作ったふりかけをタッパーに入れておみやげに持たせてくれた。 彼は料理を作るのが好きで、私も好きなので、自然に話があった。 でも、こんなにおいしいヨーグルトもふりかけも食べたことなかった。 へえー、こんなにコワモテの人が意外だなあ、と思った。 そう、彼は私よりもかなり年上ということもあるが、すごく顔がコワモテなんである。 初めて会ったときも、ハッキリ言って彼は『こわい顔のおじさん』だったので、最初は怖かった。 でも、よく見ると目がとても優しい人だった。 そして、今まであった男性の中では、あのセッションをした彼以外で一番私にやさしかった。 私の面倒を見てくれた。私のことを考えてくれた。私は、そう、心がほだされちゃったんだ。

何日か後にまた一緒に海に行こうと彼を誘った。 私はそれまで、ビキニなんかの露出度の高い水着を着たことがなかったので、一度着てみたかった。 それまで、押さえてきた自分の欲求に素直にしたがってみることにした。 つまりは、やりたいことをやりたくなったんだ。 数日後、彼はなんと日光アレルギーだったので海には入らず、私だけビキニになって少しだけ海にはいった。 とても気持ちよかった。 彼は私のことをまぶしそうに見ていた。でも、そんな視線も気にならなかった。 まるで、お父さんに見守られている娘のような感じだった。

海から上がって、近くの彼の部屋にあがった。彼はバツイチで、今は一人暮らしをしていて、部屋はお世辞にもきたなかった。 昔の服や荷物がパンパンに詰め込まれている部屋をみて、ああ過去を捨てられないんだな、と思った。 過去を捨てられない気持ちもなんとなくわかる。 (まあ、いいや。座れるところがあれば。)と思いながら、彼が作ってくれたそうめんを食べた。 そうめんもおいしかったけど、そのつゆがまたおいしかった。 おそばやさんのよりおいしかった。もちろん彼の手作り。すごいなあ〜! 実家の母は、かならず市販のつゆの元を使うけど、手作りのつゆは本当においしいねえ。 とか話していたら、時間はあっという間に過ぎて、すっかり終電近くになってしまった。 駅まで送ってもらって、ふと、彼に私の描いた絵をみてもらってないことに気づいた。 その頃、私は、自分の苦しい気持ちや心の混乱ぶりを絵にしていた。 それを彼にみてもらおうと、持ってきていたのを忘れていた。 「あ、これ見てもらえるかな?」と言うと、 彼は、「終電がなくなるぞ、また今度でいいじゃないか」と言ってくれた。 でも、私はどうしても今見てもらいたかったので、 「いいよ、終電なかったら、駅前にあるビジネスホテルに泊まるから」と言った。 彼は、少し考えてから、「じゃあ部屋で見よう。」と言って車を走らせた。 私はてっきり彼の部屋に行くもんだと思ってたけど、彼は近くのラブホテルに車を入れた。

その時は正直とてもドキドキしたけど、彼とセックスしてもしなくてもどっちでもいいなあと思っていた。 彼もこういうことは慣れているらしくて、へんにギラギラしてなかったから。 本当に泊まるだけのつもりなのかな、とも思えるほど自然だった。 部屋に入って、お風呂にはいって、歯磨きをして、ホテルの寝巻きを着てベッドに入った。 彼も、お風呂にはいって、歯磨きして、寝巻きを着て布団に入ってきた。 なんか、このまま2人で横に並んで寝てるだけでもいいなあと思った。 そいうえば、絵はまだ見てもらってなかったけど、まあいいかな。 彼が、「なんか落ち着かないから手をにぎろう」と言ってきた。 「うん、いいよぉ」と言って手をつないだとたん、彼がぎゅっと私を抱きしめてきた。 もうあとは、そのままセックスの世界へ突入! 彼とのセックスはとても気持ちよかった。私は濡れ濡れだった。 ビッチョリと言ってもいいくらい。 うう、学生時代の彼の時は、あんなにカラカラ(おい!)だったのに、うれしいー♪ 彼はとても喜んでくれて、私は最高だとほめてくれた。 それまでに、ラブグッズでトレーニングをつんだのがよかったんだなあ。

本当に心から、涙が出るほどうれしかった。セックスでこんなに気持ちいいなんて。 前は挿入するのが痛くて痛くてたまらなかったから。 私もうれしい。彼もとても喜んでくれている。 今まで、こういうなりゆきまかせのセックスなんてしたことがなかった。 誰かとおつきあいして、手順をふんでからでないとセックスしてはいけないと思っていた。 我ながらかなり古い貞操観念だったのね。 その日彼とセックスし終わっても、つきあってほしいとかは思わなかった。 ただ、彼とのセックスはとっても気持ちよかった。それだけだ。 なんだかわからないうちに、一晩で4回(!)くらいして、ファミレスでモーニングを食べて別れた。

これからどうなるんだろう、とは思ったが、どうしたい、とかは思わなかった。 なるようになるだろうって。何日か後に彼とあったが、彼も混乱しているようだった。 (なんで、こんな若い女がおれとセックスするんだ?なんかあるんだろうか?まあいいか。) という感じだったみたい。 彼と会い、またラブホテルに行ってセックスした。とても気持ちよかった。 電話でもたくさん話した。私はだんだんと彼のことが好きになってきた。 セックスってつきあった人とするもんだ、と思っていたけど、 セックスしてから好きになる、というのもあるんだなと思った。 彼との年齢が離れていることなんて、全然気にならなかった。 他の男性では満足できないような会話も、彼とは永遠と続いた。 そして、都会に住んでいた私は、彼の部屋の近くに引っ越すことにした。 もう騒がしい都会はいやだった。海や山の近くに、そして彼の近くにいたかった。 決めたらすぐ行動。さがすとあっさりとステキな部屋が見つかった。 今、私は彼とは一緒には住んでいないけれど、ほとんど毎日会っている。 平日は私の部屋で夕飯を食べたり、休日は買い物にいったり、 彼もバイクに乗るので二人でバイクにのったりしている。 すごく平凡だけど、満ち足りた日々。 これが、長く険しい心の旅を終えた私の現在である。

*あとがき*

30歳を過ぎた頃から、私の人生は急展開していきました。 それは自分で望んだことでしたが、ここまでダイナミックな世界を体験するとは 自分では夢にも思っていませんでした。 そして、長いながーい心の旅は、今現在も続いています。 このコラムは、実は私が自分の心の整理をするために、特に誰にみせるでもなく 書きとめていたものを、ラブリーポップさんのWEBマガ向けに一部修正したものです。 ラブリーポップさんには、このような機会を与えてくださったこと、心から感謝しています。 本当にありがとう♪

このコラムを最後まで読んでくださった方、本当にありがとう♪ ひとり一人の人生がそれぞれまったく違うものであるように、 セックスや体験も、ひとそれぞれ違うものです。 あなたの人生にとって、セックスや性はどのようなものでしょうか?

『性は人の営み』です。 食べること、眠ることと同じくらい、人間にとっては自然な欲求なのです。 ただ、歴史的にいろーんな原因があって、現代人は性を自然に楽しむことができにくくなっています。 そろそろ、性に対する罪悪感や嫌悪感から自由になって、あなたの人生を変えてしまうような ステキなセックスをしてみませんか? 心も体も、ホッカホカのニッコニコになっちゃうような、あったか〜いセックスがあるんですよ♪ ラブリーポップさんで売っているようなグッズもローションも、もっと気軽に楽しみましょう! もっとたくさんの人が声をひそめることなく、明るく楽しくセックスや性について話せるようになることを、 心から願っています♪

桜庭 風子(さくらば ふうこ)


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