第5回 帰国・就職活動〜コミットメント

日本で働いていた時におかしいと感じていた働き方は、欧米ではあり得ない事だった。

・なぜ有給休暇を使用する時に周りに気を使うのか?
・なぜ上司より先に帰れないのか?
・なぜ結婚すると会社を辞めるのか?なぜそれを”寿”退社と呼ぶのか?
・なぜ女性が全員のお茶を入れるのか?
・なぜ男性社員は、最初に電話に出ないのか?

書き出したら切りがない。こんな些細な事が無くなるだけで、女性は格段に働きやすくなるのだ。仕事にコミットし、精一杯働く。自分の働き方を自分で決められる自由がここにはあった。特に、欧米で良く耳にしたのが、”担当者が休暇中なので対応出来ません。”という言葉。日本だったら、誰かがカバーする。仕事は上手く廻るかもしれないが、それだけ誰かの仕事が増えているという事だ。これでは休めないのも当然だ。担当している人が休みなんだから、対応出来なくたっていいのだ。皆、休みたいんだから。これは一番大きなカルチャーショックだった。

あとは、失敗を責めない大らかさ。やり直せばいいという寛容さ。お客さんに対してでも「ごめんなさい、書類無くしちゃったかも..」なんてこと、平気で言う。弁護士でさえもだ。そしてお客も文句は言うけど寛容。そりゃそうだ。人間だもの。間違える事もあるだろうと。そんな欧米の環境の中で、私はどんどん仕事への楽しさと、自立して行く事で得られる自由を感じ始めていて本当に幸せだった。

その後、日本に帰国することになり、私はとても不安だった。自分の市場価値がどの程度のものなのか....日本社会で、同じ幸せを見出す事が出来るのか?

その不安さえも、旦那に話す事をしなかった。完全に向き合う事から逃げていて、結果、全てリセットしたくなり、離婚してしまった。現在、彼とは仕事の悩みを相談したり、お互いの近況を報告しあったりしている。彼と話していると昔の自分がどれだけ依存体質だったのかが良く判る。反省することが沢山あるが、これから少しずつ心を溶かして、素直にお互いの気持ちが話せる日がくるといいなと思っている。人間関係はゲームのようなリセットは出来ないのだから。

離婚した私は、本格的に就職活動をはじめた。今までの経験から、日本企業で働くのは絶対に嫌だった。もちろん、企業が悪いのではない。私の性格に合わないということが良く判っていたからだ。とりあえず、派遣会社に登録し、いくつかの外資系企業を紹介されたのだがどれもピンと来なかった。腑に落ちない。良くも悪くもなく。。。ただ、ピンと来る何かが無かった。時間ばかりが過ぎて、焦った。どこでもいいからとりあえず決めよう、選り好み出来る立場では無いのかもしれない..。

決める前に、何となく母親に相談したら、彼女は”納得いくまで妥協しないで探しなさい”と言い切った。これまでの母親は、私の生き方に否定的だった。彼女も離婚をし、苦労して女手一つで私と姉を育てて来たので私の甘ったるい生き方に腹を立てていたのだろう。しかしこの日は違った。そういえば、離婚する時も反対はしなかったな。この母親のアドバイスに”ピン”と来た。腑に落ちたのだ。

人は納得したり腑に落ちると全力をだしきれる。自分の本当に就職したい会社にコミットメントできるのだ。

この時の出来事で、後に私は「コミットメント」力を信じるようになった。

不安や自信の無さがどこから来るのか、派遣会社の担当者に正直に話してみた。自分をさらけ出してみたら、コミット出来る仕事を探そう!と自分の心が固まった。 その瞬間からもの凄い勢いで動き出した。

1)選択肢を広げるためには専門性のあるキャリアを積み重ねること。 私は英語に国際会計のキャリアを積んだ。どんな国でも働ける。それはとても自由で幸せだ。

2)ある程度のキャリアができたら、自分にあう会社を探そう。 会社は日本だけじゃない、アジア、欧米、世界中どこでもある。欧米にいた私は会計と英語を必死に勉強した。その後は自分の相性のあう会社をえらべるという選択肢が増えたので、とても楽になった。

3)コミットメント 自分の力を小出しにせず、ケチらず最大に才能を社会に与えていくこと。あなたのもつ個性的な才能を社会や仕事で、発揮することで、より成功し、周りにも希望を与えることができる


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