ラブリーポップ公式マガジン

About him

花ちゃんが聞く、男性の本音。普段聞けないセックスのこと、恋愛のこと。

Aさん:
26歳男性。中野区在住。気がついたらライターになっていたという。ライター歴6年目。

Q&A

<ご本人について>

1・ご結婚されていますか?結婚何年目でしょうか?
はい。結婚して1年半くらいですね。

2・彼女はいますか?付き合ってどのくらいですか?
ウチの奥さんとは、大学を卒業してから付き合い始めて、一緒に住んで4年ちょいくらい経ってます。

3・お仕事は何をされていますか?忙しいですか?
フリーライター。休まない時はひと月仕事が続いたりします。フリーで働いている分、忙しすぎたら仕事緩めますし、自分で調整してますね。

4・休みの日には何をして過ごすのが好きですか?
犬を飼い始めたんで、ドッグカフェに行ったり、犬の服を見に行ったり。でも基本的には出不精なんで、家にいることが多いです。

<女性観について>

5・ご夫婦(カップル)の間では、相手にどう呼ばれたいですか?相手をどう呼びたいですか?
ちゃんずけ。相手もちゃんずけですね。もしくはクン付け。相手を呼ぶとき、あんまり乱暴な言い方するのって好きじゃないんです。

6・初恋について、どんな女性だったか教えて下さい。
小学校5年生の春。転校生に一目惚れってやつです。クールで背の高い女のコでした。

7・女ってわからない、と感じる瞬間を教えて下さい。
まず、「女」っていう言い方したくない。あと仕事がら色んな人に知り合うから、「そう言う人もいる」って思っちゃいますね。男だろうと、女だろうと、わからない人はわからない。

<性欲について>

8・ご夫婦で(カップルで)最後にセックスなさったのはいつですか?3ヶ月に何回くらいセックスしますか?
最後はおとといくらいです。1か月に3回位じゃないでしょうか。基本的に淡白なんですよね。

9・セックスしたくなるのはどんなときですか?オナニーは?
セックスは、今は奥さんから誘われて、というのが多いかなぁ。明日の予定次第では、断ることもあります。オナニーは可能なら毎日したい。オナニー好きです。

10・浮気したこと、したくなることはありますか?浮気相手と彼女の違いは何でしたか?
元カノと、外であって何度かセックスしたことがあります。奥さんとはいつでもできるって思っちゃうんで、浮気相手と比べると一回のセックスへの執着が薄れるんじゃないですかね。

<セックスでの女性の理想的な行動について>

11・セックスには、どれくらいの時間をかけたいですか?
基本的には全て相手に合わせますね。あと、1日7時間は寝ないと仕事に集中できないので、睡眠時間を考えてしちゃうこともあります。

12・セックスに積極的(消極的)な女性をどう思いますか?
年上のお姉さんに誘われたいって夢はありますよ。ただ、奥さんがエロいのは嫌ですね。奥さんは普通でいい。

13・女性がオナニーすることについて、抵抗はありますか?自分の彼女だったら?
まぁ、するんじゃないですか、みんな。…いや、5割は。奥さんもしてると思う。抵抗はないですね。

14・セックスした相手が処女だったら嬉しいですか?嫌ですか?
嬉しくもいやでもないです。それはそれで、という感じ。

15・風俗に行ったことはありますか?キャバクラは?
風俗は、あります。1年に2回くらい。結局「最後はやりたい」ので、キャバクラは好きじゃない。キャバクラって相手が自分とセックスする気がサラサラないでしょ?

16・女性の臭いや体液って気になりますか?彼女だったら?
臭い人は嫌だ。熟女AV嬢と付き合って飲尿にトライしたことがあったけど、冷めちゃった覚えがあります。もし奥さんに「飲んでくれなきゃ死ぬ」って言われたら、まぁ飲みますけどね。

17・キスは好きですか?
まぁまぁ好きかな。クンニとかのが好き。舐めらて恥ずかしがってる姿とか見るの好きなんで。

18・セックスのときに声を出す女をどう思いますか?
出さないより出した方が良いですね。感じてくれてるほうがいいので。

20・騎上位とバックだったら、どっちのほうが興奮しますか?
どっちも好き。1回のセックスでは一通りします。バックでイクのは失礼だと思うので、最後は正常位で。


今回取材したAさんは、インタビューを受けてくれそうな人を捜していたときに、ラブリーポップのかおるさんが紹介してくれた相手である。名前と携帯番号だけが手元にある状態で、取材の日程を電話口で調整した。電話での彼の声はずいぶんと静かで落ち着いていた。「結構年配の方なのだろうか?」と年齢を聞いてみると、「26歳です」との返事。偶然にも前回インタビューしたFと同い年だった。1年半前に結婚して、20歳の頃からライターとして生計を立てている。

●妙に落ち着いた新婚さん

とある休日。私たちは、彼の自宅から少し離れた商店街で待ち合わせた。彼は小柄な体型にジーパンとハンチングというラフな出で立ちだった。喫茶店の席に着くと、私は質問項目の書かれた紙をテーブルに広げた。
「結婚されたのは、いつ頃ですか?」
「1年半前ですね。僕は特に結婚願望があるって訳じゃなかったんですけど、向こうが結婚したがってたいので。奥さんとは趣味がほとんど合致していてとても気が合うんです。だから断る理由もないと思って籍を入れました。式も特にあげていません」
1年半というと、まだ新婚といってもおかしくない時期だと思うが、ゆっくりと紡ぎだされる彼の言葉からは、浮き足立ったところはまるで感じられないのが印象的だった。
更に「奥さんとは、大学を卒業すると同時に一緒に暮らしていたので、結婚によって何かが変わったってことはなかったです」と彼が言葉を続けた。
「子どもはいます?」と聞いてみると、「いません。結婚当初、奥さんは欲しがっていたけど、仕事の基盤が整うまでの間は待ってもらってます」と彼。
仕事の方は「落ち着いて来た」そうだが、「最近では周りの友人たちの子どもと接する機会が増えて、子育ての大変さを感じるようになったのか、あまり子どものことは言わなくなりましたね」。

●結婚相手とのセックスの本音

一緒に暮らし始めた時から、奥さんとはあまりセックスはしていないという彼。
その理由を聞いてみると、「僕は1日7時間は寝ないと頭が働かないので、翌日のことを考えると、セックスを誘われても断ることがあります」という答えが返って来た。その冷静な言い方が気になって、「自分からさそったりはしないんですか?ムラムラ来る時とか、ないです?」と聞いてみた。
「うーん…ないですね。誘ってこられれば、週1回位のペースで相手に合わせてセックスしてますが。でも自分からは、ないですね。奥さんに対しては淡白です」と彼。「毎日一緒にいる訳だし、いつでもできるって考えちゃうと、一回にかける情熱みたいなものって薄れるんじゃないですかね」。
「なるほどねぇ」と寂しそうにつぶやいた私に、彼が言葉を付け加えた。
「奥さんに対して、断るのは失礼だとは思いますがね」
「失礼?」
「そう。だって、奥さんを女性として見てるってことの証じゃないですか、セックスって。そういう意味では、セックスしなくなるってことはないと思います。相手が求めなくても、少なくとも月に一回くらいはやりたいですね。夫婦で暮らしていくためには必要なものなんじゃないでしょうかね」
なるほど。彼にとって奥さんとのセックスは、溢れる性欲に身を任せる行為ではない。そう思うと、勝手にも見える彼の話がすんなりと耳に入ってくる。
彼にとってセックスは「ちゃんと結婚相手を異性として認めていることを証明する手段」の一つ。
私のこれまでの選択肢には、入ってこなかった考え方だった。

●オナニーは、自分の小部屋で

「オナニーは毎日したいですね。大好きです。特に胸フェチで、HかIカップ位がちょうどいいです」
AVは、小学校の頃から、歳の離れた兄の部屋に忍び込んでは見ていたという。当時から胸の大きい人のビデオを選んで観ていたそうで、なんで胸フェチになったかと言われても、「物心がついた時から、そうだった」と彼。
「オナニーする女性をどう思いますか?」
「まぁ、するんじゃないですか、みんな。…いや、5割は」
「奥さんがしてたらどうです?」
「抵抗はないですね。ただ、それは内緒にしてほしいし、自分も内緒にしたいです」

私は、前回インタビューしたFが「自分のオナニー話も聞いてほしいし、彼女の話も聞きたい」という意見だったのを思い出した。その話をすると、彼は笑って「自分はオナニーは、小部屋にしまっておきたいですねえ」とひと言。
「でも、お互いに好きなことを話し合って、それをセックスにつなげていくって楽しみ方も、あるんじゃないでしょうか?」
「浮気相手だったら、それもアリかもしれませんね。ただ、夫婦では上手くいきません。行き着く先が見えちゃうというか…」
「行き着く先が見える?」
「えっと、例えばそれをやると、セックスの内容がどんどんエスカレートしていくのがわかっちゃうじゃないですか。野外プレイが良いとか、複数プレイが良いとかね。カップルや浮気相手だったらそうなっても良いのかもしれないけど。ただ、奥さんはこれから一緒に長く付き合っていく相手だから、日常生活に支障が出るのはまずいですよね」
なるほどねぇ。【性欲の追求】と【安定した結婚】の両立って、確かに求めているものが矛盾しているのかもしれない。私も、自分がオナニーで妄想するような「危険な男」とは、絶対結婚したくないな(笑)。

●セックスの理想と現実

「セックスに積極的な女性をどう思いますか?」
「年上のおねえさんに誘われたいって願望は、ありますよ」
「えー、奥さんは、Aさんにセックスを誘ってくるんですよね?でもAさんは淡白だって話だったじゃないです?」
「うーん、わがままかもしれないけど、奥さんが積極的なのは嫌なんですよね。奥さんには清楚でいてほしい。勝手ですけど」
「なぜです?」
「だって、奥さんがエロいと、他の男にも同じことやってるんじゃないかって、気になっちゃうから…あ、なんかちょっと違うかなぁ。うーん」
「先ほど、ご自分は風俗に行かれたことがあるって話を聞きましたが、逆に奥さんが風俗に行くのは、どう思います?」
「ありえないですね。多分奥さんが出張ホストを買っていたら、離婚する」
「…奥さんが他の男性と食事に行くのは、浮気だと思います?」
「うーん。僕は、結婚する以前から女性の知り合いが多いんで、女性と2人で食事に行ったりすることもあります。でもそれは浮気とは思わない。ただ、そのことは奥さんにはあまり言わないようにしています。奥さんも、男と食事に行くくらいはOKですかねぇ。あまり聞きたくないですけど」
彼は、自分が「男」として家庭の外で行っている行為を話すときには饒舌になり、それと同じことを「女」としての奥さんに当てはめようとしたら途端に歯切れが悪くなった。同じ質問を彼の奥さんに投げかけても、奥さんは同じように彼の外での「男」な部分を認めようとはしないんだろうなと、想像したらおかしくなった。

●夫婦/同居人/男女のバランス

私は、彼の話を聞いていて、浮気という名で行われるセックスを、ついつい結婚の前提にしてしまいそうになってしまった。
だって、結婚したらセックスで興奮できないし、そしたら「女」として満たされないし、でも生活も大切だし。

夫婦としての彼と彼女。
同居人としての彼と彼女。
男と女としての彼と彼女。
結婚生活をする2人には、幾重にも重なった立場や役割が存在している。その1つ1つには、それぞれ矛盾した感情や条件があって、それを2人の中で両立させる生活には、「グレーゾーン」は必要条件なのかもしれない。
例えば、
理想のセックスがあったとしても、相手にはそれを押し付けない。
自分では浮気でないと思ったとしても、相手には言わない。
お互いの将来設計が違ったとしても、すぐに結論を出さない。
などなど。

結婚とセックスの間の、大きな断絶。




Stanley

田中花

元性感エステ穣。 2006年まで、ウェブマガジン(nobody)にて風俗体験記(花日記)を執筆。 現在は、女性向け高収入アルバイト情報誌「てぃんくる」にてたまにコラム(根 ホリ葉ホリ)を書いています。 SM系フェミ系ギャルバンド(セックスレス)、tp担当。←ド素人 風俗の仕事は楽しかったけど、たくさんのお客さんに触れるにつれて、サービス としての性的行為と、お客さんへの気持ちと、お客さんそれぞれの気持ちと、 自分の性欲と、大切な相手の登場や喪失との間に矛盾や混乱がたくさん生じ、手 に負えなくなって辞めました。が、いまなお常識と性欲と感情に振り回される 日々。「自分が一番しっくりくるお付き合いとは何か」、探し求めて迷走中です !


TAGS: セックス - オナニー- 風俗 -


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