ラブリーポップ公式マガジン

Good Vibe!

生理からオナニーまで、獣フェミニストの毎日

彼女らを好きな理由

ラブリーポップのかおるさんから、もりもり☆アイアイさんの代打をおおせつか った田中課長です。

私は漫画が大好きで、漫画全般、かなり好きなんですけど、少女漫画も好きで、 その中でも 「萩尾望都」 「大島弓子」 「よしながふみ」はオールタイムベストにはいる方々です。 この三人には、というか、この三人の一部の作品には共通点がある!とか思って いて、私の好きなツボはそこなんだなあ、と気づきます。それは、「そして人生 は続く」というポイント。

よしながふみの大ヒット作、色男ばかりの4人が主人公の 『西洋骨董洋菓子店』、ドラマにもなった有名なアレです。もちろん、最終 話にいたるまでの話、全部いい。登場人物のそれぞれが生きてきた道程がとても つくりこんであって、過去があり、闇があり、なんでもない日常があり、感情が あり。本当に彼らの存在の躍動が感じられる。が、さらにふみこんでぐっと来る のは、最後のお話で、何かを乗り越えたように見える主人公が、やっぱり変わら ない日常を送る、というとこです。や、お話的には、確実にある地点を通過して いるのですけど、大仰なカタルシスは迎えない。そこがいい。登場人物たちは、 必死で過去を振り返ったり、かかえたトラウマをなんとかしようとするわけなの だけれど、それを描く視点というのが、「それを超えても超えなくても、すべて をひっくるめたそれぞれの人生を肯定する」とう場所からのような気がするんで すよね。「何にもかわらない」、と主人公は笑うのですが、大抵、本当の人生で も、何かひとつ変化したとしても、すべてがうまくいくわけではない。人は成長 し、いろいろな人とかかわっていくほど、過去のある問題から抜けていくほど、 また新たなことにぶつかっていくし。登場人物とともに、作者も、決して自嘲的 じゃなく笑っている。

「萩尾望都」もそう。この人は、親子問題とかを、えぐりまくる名作(『残酷な神が支配する』をイチオシ)をたくさん発表しているけれども、全面的な解決はしない。傷や感情はなくならず、その人の人生の中に、ゆるやかにとりこまれていく、もしくは、解決しないまま抱えていく、という感じ。そこがリアルで、それらの過程を描くことは、ともて大事なことなんじゃないかと思います。「大島弓子」は、たんたんとした語り口の中に、かなりハードな人生、問題がどかどか出てくるのだけれど、まなざしは常にとてもやさしい。

そうだなあ、この人たちに共通しているのは、やさしさなのだなあ。決して完璧ではない人生、人々に、とても肯定的なのだと思う。(が、「そのままのあなたでいい」というニュアンスではない気がしますよ)これらの人の漫画を読むと、「たとえ後方からのスタートでも、まあ生きるか」と思わせてくれます。今さら進めるまでもない超大御所の人たちばかりですが、人生路頭に迷ってる、みたいな気分のときに特にオススメです!




Stanley

もりもり☆アイアイ

大学卒論で女性器と女性との関わりをとりあげた、通称マン卒(「<性>にどう抵抗するか:<女性性器>を出発点にして」)を提出。研究者になるつもりが、進路変更。某資格取得のため真面目に勉強中。「あくまで実践 獣フェミニスト集団FROG(Feminism and Radical Onanie Group)」コアメンバー。


TAGS: 女性


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