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Good Vibe!

生理からオナニーまで、獣フェミニストの毎日

蛙も跳ねた。春です。

最近またオナニーしなくなったな、と思ったら、そうです、時々寒波到来し、行きつ戻りつするものの、確実に暖かくなる方向に季節は進んでいたのです。日差しは暖かく、春だ!春が来てますよ。  

 そんな訳で、前回書きましたオナニーで暖まる必要性が減り、オナニー回数が減少してたみたいです。前のコラムを書いて以降も、新ズリネタを発見したり、しばらくは意欲的にオナニーをしていたのですが‥‥。どうも持続力がない。日記、早朝マラソン、ピアノの練習等々のこれまでの例にもれず、習慣の継続を決意しても、私ほんまに続かへんなー、いったい人生で何度目になるのかの再認識。  

まあそのように暖かくなり春が来ているわけですが、春はお別れの季節でして、みんな旅立っていくわけで、知り合いのお子さんが学校を卒業したり、ニュースでも卒業式の話をやってたり、なんかそんな話を聞いていたら、学生時代のことを思い出しました。

このコラムのプロフィールにも書きましたように、私は、大学の卒業論文として、女性性器と女性との関わりをとりあげた、マンコ卒論、通称マン卒(「<性>にどう抵抗するか:<女性性器> を出発点にして」)を提出し、卒業しました。

 この卒業論文の前半では、私自身の経験の他に、インタビューをしたり、本を読んだりして、「女性性器を呼ぶ名前やその使われ方が男性性器のそれとどう違うか」とか、「女の人が女性性器の話をするのはなぜ難しいのか」等、について書き、後半では、「女の人が自分の性器の話をしにくかったりする状況をどうやったら変えられるんかな」っということを、私が当時やっていたことや、私の回りの人がやっていたことを具体的に書いて、「こんなんしてみたらどうでしょ」って提案してみました。  

 この卒論のこと、特に、卒論後半の新たな試みの提案については、また詳しく書けたら、と思うのですが、今回は、私がそんな卒論を書くに至った出発点である、「あくまで実践 獣フェミニスト集団FROG(Feminism and Radical Onanie Group)」(以下、FROG)のことを書いてみたい、と思います。

 FROGを始めたのは、1996年3月です。

 ある夜、その後FROGを一緒に始めることとなる、水島希、薫薫と私の3人は、夜通しいろいろと話をしていました(たぶん鍋をしながら)。そして、夜が更けるにつれ、何がきっかけだったのか、いつの間にやら話題はオナニーに。

 私はそれまで、男の人がオナニーの話をするのは何度も聞いたことがあったけど、女の人がオナニーの話をするのは聞いたことがなく(ラジオとかでならあったかも。でも直接聞いたわけではないので、リアルな話って感じではなかったと思う)、自分でも話をしたことがありませんでした。セックスの話をしても、自分のオナニーの話はしたことがなかった、と思います。   

 それがその夜は、幼少期のオナニーの話、オナニーの方法、ズリネタについて‥‥、3人でオナニーを熱く、語りに語りました。具体的に、どういう話をしたのかは忘れてしまいましたが、2人の話を聞きながら、「わぁー、違うなー」とか、「あっ、それおんなじやわ」とか、自分の経験と比べられて、かなり面白かったのは覚えています。  

 で、その夜、3人だけでも面白いんやから、他の女の人の話も聞けらたら、もっと面白いんちゃう、そのための場を作ってみよう、と決定。話がトントン拍子に進み、その後、鍋をつつきながらオナニーの話をする「オナ鍋会」など、オナニーの話をする会を設けたり(1度だけ女子限定「ギャルフロッグ」をした他は、性別問わず)、ニュースレター『けもの道』を発行したりしました(現在FROGは、解散したわけではないのですが、ほとんど活動しておらず、冬眠状態です。またなんかオモシロいことやれたらええな)。

 FROGをやるなかで思ったのは、猥談じゃなく、オナニーとか、マンコの話とかをする機会ってあんまりないんやな、ってことです。オナニーとか、マンコとか言った途端に、それはエロ。エロなんで、「話したらアカン」となったり、内容が面白いとかでなく、エロという、ただそれだけで笑い話になってしまったり。単に楽しく、面白くちゃんと話をすることにならず、エロなんで、欲望、妄想満載での聞きっぷり、話っぷりになってしまったり。  また時には逆に、性の話なんで、崇高に、神妙に、話さなアカンてなったり。けど、FROGでは、ただの猥談でもなく、また崇高神妙に話さないとといった気負いもなく話すことができ、マンコとかオメコとか言ったことのなかった私も、「マンコにニキビみたいな出きモンができて」とか、気軽に話せるようになりました。

 FROGで、ただのエロエロでもなく、崇高神妙な感じでもなく、話す場が持てたのは、FROGを始めた3人がフェミニズムに興味があったことが関係している、と思います。フェミニズムを知る中で、私たちは、個々人の経験が大切だと思っていたので、オナニーの話をする会では、「女は」とか、「男は」とか、「人間は」とかでなく、「私は」とか、できるだけ一人称で話すことを提案していました。このことは、ふだん当たり前と思っていることをそのまま持ち込まず、話をすることに役立っていたと思います。

 そうしてFROGや他の場で、話をしたり、他の人のマンコとの付き合い方を見たり、聞いたりすることで、マンコの話もしたことなかった頃に比べ、私の、自分とマンコの一体感はかなり増したように思います。それまでは、自分の体の一部ではあったけど、なんか他人行儀だったマンコがもう身内っていう感じに。その身体感覚の変化は、私にとってとても重要でした。そして、あまりに重要だったので、卒論にまとめてしまいました。

次回は、その卒論のことを詳しく書きたいと思います。




Stanley

もりもり☆アイアイ

大学卒論で女性器と女性との関わりをとりあげた、通称マン卒(「<性>にどう抵抗するか:<女性性器>を出発点にして」)を提出。研究者になるつもりが、進路変更。某資格取得のため真面目に勉強中。「あくまで実践 獣フェミニスト集団FROG(Feminism and Radical Onanie Group)」コアメンバー。


TAGS: 女性


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