WWS ~vol.20 外国人との草食な出会い
あれはだいぶ前の話、今年の春のこと。
男友だちにお花見に誘われた。軽い気持ちでOKしたけど、
「2人きりでお花見って、デートかも?」と後になって気づいた。
「何もなければいいけど」
「いや何もないっていうのも切ない話だよ 」
「いや、でも何か言われても困るし」
あれこれ考えながら待ち合わせ場所の公園に行ったら、
彼は大学のサークルみたいな看板を持った知らない男性と一緒に立っていた。 「こっちが会場だよ」と指された先に、50人を軽く超える外国人の集団がいた。「今日はお花見オフ会だから、いっぱい集まったみたいだね」と友だち。
え、え?こいつら誰?
集まっていたのは、アメリカ人、イギリス人、イタリア人・・と書き尽くせない。聞くと、外国人がオフ会参加者を募る有名なサイトがあるらしい。検索して、このお花見にたどり着いたとか。
そういえば、別の外国人の友だちも「美術館やレストランをめぐる会に参加してるんだ」って言ってた。
他にも「みんなで映画を見る」「外国語を学ぶ」「バーベキュー」など
無数のオフ会がある。毎週末イベントを渡り歩く人もいる。
「英語を勉強したくて」というシャイな日本人の女の子もいた。
英語を使って別のエロいことを勉強したいんじゃなくて?
みんな出会いが目的なんでしょ?と、おっさんみたいなこと考えていたけど、
ナンパ的なことは一切起こらず。 シャイな女の子も「英語が下手で・・」と、
私とばかり話していたから、本当に英語を勉強したかったんだろうな。
みんなとっても優等生で、健全な集いだった。
健全すぎて、肉食系の私はさらに混乱した。
初対面の人たちと大人数で行動する会に、
あれだけの男女が集まっていながら健全に見えるのが逆に怖い。
日本にいれば、いくらでも女が見つかる白人男性が、
細々と趣味の会に参加しているなんて。
草食化って、日本だけじゃなかったんだ。
先週、レストランに入ったら、日本語を学ぶオフ会とたまたま隣り合わせた。
国籍の違う同じくらいの年代の男女が、健全に勉強して、健全に帰っていった。
私なら、目当ての人がいなきゃ通わないし、
わざわざ参加してその人を1人で帰さない。
なんだか、自分が不純な生き物に思えてきた。