LESSON ~vol.02 オーガズムは与えられるものだと思ってない?

ソープの仕事をしていて、たまにお客さんで「気持ちよくして」ってごろんと横になるだけのいわゆる「マグロ」に遭遇することがある。チン子はふにゃふにゃ。お疲れなのね、とは思うけど、恋人(がいるとして)とのエッチじゃこんなことないんだろう、とは思うけど、けどけど…セックスって、エロって、そういうもんじゃないだろーっ!!というのが心の叫びである。チンコいじってればそのうち勃起するし、頃合を見て騎上位で始めてみれば体位を変えてくる男もいるが、こっちはちっとも感じませんし喘ぎ声にも身が入りませんわ。「してあげる」ことは仕事だし苦にならない性分の私だが、イキたいのはあんたでしょうがっ。もっと自分を盛り上げる努力っつーか、主体性を持ちやがれって思ってしまうんだ。でもこれ、男女を逆にしてもあり得るんじゃない?

女性のほうが受け身なのはまあ仕方がない。あんまり積極的すぎても男は引くし。しかし、欲望などありませんって顔した乙女だったのに、男のテクニックで目覚めさせられ快感を与えられ次第にセックスの虜にされていく、なんて渡辺淳一のエロ純文学みたいな展開を望むのは、もはや贅沢ではないだろうか。そんな至れり尽くせりなご奉仕男は希少価値かも。というか、あれは奉仕という名の支配だったりするからたちが悪い。イカせてもらう、感じさせてもらうというのを当然だと思っちゃいけないよ。自分の身体なんだから、オーガズムは自分で獲得するの!マグロ女のマンコを必死で舐める男の気持ちも考えてね。

とはいえ経験の浅い女性ほど、自分の快感のツボがわからないもの。いくらマンコを必死で舐められても、そのテクニックが的外れということも当然ある。相手の気持ちを考えるあまり、気持ちよさげなフリはするけどホントはいまいちだったり…。男のテクなしのせいでイケないということも間々あるでしょう。そんなときはセルフトレーニングよっ。してもらってダメなら自分でするべし。痒いところに手が届かないように、自分ではたどりつけない場所もあるかもしれない。相手がいるからこそ気持ちいいという境地に至るには、まずセルフオーガズムを得ること。高い山に登るのに、トレーニングを積まない人はいないでしょ。相手から与えられる快感こそ愛とか思うのはやめてね。

それからよくある勘違いのひとつに、潮吹き=オーガズムというのがある。経験者に聞くとあれはけっこう体がキツイらしい。私は潮吹いたことはないけど、自分の身体感覚として、絶対気持ちよくないだろうって想像つくから経験したいとも思わない。潮吹きに憧れるのって、AV観て顔射に憧れる中高生男子と同レベルじゃないかい? 大人の女は己を知るべし!

 

著者:山口みずか
現役高級ソープ嬢、ライター、作家。
「1996 AIDS文化フォーラムin横浜」の講演会「性風俗とHIV/AIDS」に  パネリストとして出席、現役の性風俗嬢が公に発言した講演会ということで話題を呼んだ。著書に「性器末コレクション 」(イースト・プレス)、「てぃんくる系必勝講座」(太田出版)、「Hの革命」(共著・太田出版)など。

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