KAMEYAMAⅠ~vol.5 マスターベーションをしよう

 

大人になってもマスターベーションをしたことがないという女性は多い。
なぜしないのかと問うと、「好きな人がいないときは性欲がないから 」という驚くべき答え。
さらに、「好きな人ができれば、ひとりでしなくてもセックスできる。結局、マスターベーションは必要ない」のだそうだ。

好きな人がいようがいまいが、性欲はあるはず。それを認めたがらない女性が多いのも知っているけれど、よーく自分の心に聞いてみようよ。きっと性欲はある。そしてそれはごく当然のことだ。

マスターベーションをしない女性の心の中には、「ひとりでするなんてみじめ」という気持ちが潜んでいるらしい。
快感は与えられるもの、セックスは好きな人との特別な儀式だと思っているのかもしれない。
わからなくはないけれど、やはり恋愛感情と性欲はときに切り離したほうがいいこともある。

自分の性欲を意識し、自分でそれを満たす。
どこもみじめじゃないはずだ。お腹がすいたら自分で何か作って食べるのと同じこと。

私は自分で自分の性器を見たこともないのに、「彼の愛撫が下手」と言う女性を、ずるいと思っている。
そういう女性に限って、「女の性器はグロテスクだから見たくない」などと言うのだ。自分で見たくもないところを、触れたり舐めたりしてほしい、しかも気持ちよくなるように上手にやれというのは、男に対しても,自分の性器に対しても失礼ではないかと思っている。どこをどうされたら、どんなふうな気持ちになるのか。

どのくらいの力加減で触れられるのが気持ちいいのか。
そういったことをあらかじめ自分でわかっていれば、パートナーに「どうしてほしい?」と聞かれたとき、自分の意見が言える。
自分の快感に対して責任をもつのが大人の女ではないだろうか。

どうやってマスターベーションをしたらいいかわからないという声も聞く。
まずは体中に触れてみる。そして手鏡を使って、自分の性器を見てみよう。
どのくらいの力で触れたらクリトリスは感じるのか、膣も開いて指を入れてみるといい。
膣はどう感じるのか、指はどう感じるのか。

自分を知るのは楽しいことだと私は思う。

 


著者:亀山早苗
明治大学文学部卒業後、フリーランスライターとして活動。夫婦間、恋人間のパートナーシップに関する著作多数。女性の立場から、男女間のこまやかなコミュニケーションのひとつとしてセックスを重要視する。 亀山早苗公式サイトはこちら・カフェ・ファタル

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