豪華絢爛! AV版「大奥」【ERO-DVDⅡ】

数年前、テレビドラマで大ヒットした『大奥』。 そして、去年の大河ドラマ『篤姫』で舞台となった「大奥」。

将軍の寵を、ひいては権力をめぐる女同士の戦い……皆さん、「大奥」について興味津々ですよね。かくいう私も大好きです。 偶然にも先月、江戸の本を書くために調べ物をしていたのですが、大奥とは実に奥深いシステムです。

たった一人の男性(将軍)のために作られた大奥は、正室である御台所を頂点とする女の世界。男子禁制とされ、そこには1000人近い女性が暮らしていました。 存続の目的は将軍家の血を絶やさない……その一点にあります。 ゆえに、30歳を超えた女性は夜伽を辞退しないといけないなど過酷なしきたりもありました。

『大奥法度』には「お勤めが終わった後も、大奥での出来事は口外してはならない」と記されています。そのため江戸時代においても大奥は秘密の園。エリート候補生ともなると7歳くらいで大奥に上がり、それから将軍のお手つきにならない限り一生を処女で過ごします。 庶民たちは「男日照りの奥女中たちはどうやって性欲を宥めているのだろう?」と思ったようで、下世話な川柳がいくつも残っています。

さて、今回ご紹介するのは『大奥 淫の乱 花びら燃ゆ』です。

とにかく衣装もセットも豪華絢爛! 現在のアダルトビデオで、ここまで制作費をかけた作品はないでしょう。

以下、物語です。
大奥に入り浸ってばかりの色惚けした将軍のため、大奥総取締りである崎山が用意したのは東北の姫・美津子でした。 彼女には婚約者がいましたが、江戸の権力は絶大なもので、
故郷と婚約者を守るため泣く泣く正室として江戸城に上がります。 しかし、田舎育ちの美津子は大奥に馴染めず、崎山と対立。 大奥での味方は、婚約者の妹・お玉だけでした。
美津子は将軍に呼ばれても、同衾を拒み、貞操を守ります。将軍は自分に媚びようとしない彼女に惹かれ、美津子もまた、将軍の淋しさに触れたことで徐々に心を開いていきます。
紆余曲折の末、ようやく将軍と結ばれたときに思いもしなかった悲劇がふたりを襲うのでした……。

展開は完全に少女漫画です。
美津子は将軍にお目通りするときに、着物を脱がされ、婚約者からもらった簪を取り上げられそうになります。 故郷と決別し、大奥の女になるための儀式とはいえ、人前で裸にされ故郷を全否定される屈辱……そういえば、『ベルサイユのバラ』にもそういうシーンがありましたね。また、大奥での習慣として、正室が用を足すときはおまるを用い、奥女中に着物の裾を持たせ汚れないようにします。「小用など一人でできる」と嫌がる美津子に、崎山は「大奥のしきたりです!」と言い放ち、奥女中たちの前で排泄を強要するのです。
美津子は抵抗しながらも、生理現象にはかなわず……そのときの崎山の意地悪そうな表情ときたら!
これは習慣の名を借りたセクハラプレイ。 羞恥プレイ好きにはたまらないシチュエーションなのではないでしょうか。

*史実としては、御台所専用のトイレはちゃんとあり、おまるは使いません。ただ、用を足すときに奥女中たちが手伝い、お尻を拭いて差し上げるという習慣はありました。

最初は垢抜けない少女だった美津子も、大奥の生活でいつしか正室としての誇りに目覚め、凛とした女性に成長していきます。

また、世界観に厚みを持たせるため、奥女中たちの生活にも触れています。
大奥に入れる男性は原則的に将軍のみで、奥女中は常に欲求不満。そのため皆、将軍に抱かれたいと願っていますが、夜伽に選ばれる女性は稀です。 そういうわけで奥女中たちが性欲を鎮めるためにレズビアン行為を行ったり自慰をしたりするシーンが克明に描かれます。男性目線だと、こういう演出は裸やカラミをたくさん入れておけばヌケるでしょ的な手抜きに見えるかもしれません。ですが、フラットにアダルトDVDを見られる女性なら、製作の意図を汲む必要はありません。 不自然な部分を流して見ることができるのも女性特有のAV鑑賞法なのではないでしょうか。

確かにアダルトビデオとしては、 無駄に裸が多いのに関わらず、主役である美津子(吉沢明歩)のカラミが少ないとか、 折角、みひろが出ているのに裸すらないとはどういうことだ?!とか、 カラミになると画面が暗くなって、何をしているかわからない箇所すらある など気になる点は多いです。

しかし、女性は女優さんでアダルトDVDを選ばないですよね。物語や時代考証についてもリアルよりロマンを求めるので、展開はベタでいいのです。 ただ、コメディ部分が明らかに浮いていたので、そこはマイナスかもしれません。 カラミに関しては、喘ぎ声や上気する表情がメインであれば十分だと思います。 女性がアダルトDVDを見るときは、挿入よりも丁寧な愛撫に興奮しますから。

ヌキ目的の男性なら酷評するのも理解できますが、女性でも見られるアダルトDVDとしては画期的な作品です。ドラマとエロの融合という点で『エマニエル夫人』や『O嬢の物語』のようなソフトポルノ系といえるでしょう。

さて、本作には続きがあります。 そこでは、美津子を救うために江戸城へ送り込まれた お玉(みひろ) が主人公。 新将軍の筆下しを命じられた
お玉の運命はいかに……?!
ということで、来月もお江戸のエロスがテーマです。

 

※本コラムは2007年~2009年連載のため、紹介された作品は既に廃盤となっております。DMM動画(R18)にて動画配信は行っております。

DMM動画(R18)

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